辰年に竜を観賞 中国の文化財に竜の足跡を探す

辰年に竜を観賞 中国の文化財に竜の足跡を探す

 商(殷)代の青銅器、竜形觥(りゅうけいこう、山西博物館蔵)。(資料写真、太原=新華社配信)

 【新華社太原2月14日】玉の竜や青銅の竜、瑠璃の竜、壁画の竜、木彫りの蟠竜(ばんりゅう)、磁器の竜…。中国では甲辰(きのえたつ)の春節(旧正月)を迎え、竜にまつわる文化財の展示や紹介が人々の目に留まるようになり、悠久で奥深い竜の文化を感じることができる。

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 10日、山西省考古研究院「山西出土竜文物展」で展示された竜形玉佩(りゅうけいぎょくはい、東周時代)。(太原=新華社記者/王学濤)

 竜は中華民族のトーテム、十二支の中で唯一の神話上の動物であり、勇猛で恐れを知らぬ気概と四海に福をもたらす心、強大無比な力を持つ。考古学調査では、先史時代に竜の図柄が既に出現していたことが分かっており、商(殷)周時代になると図案は具象的なものから抽象的なものへと変化。形や文様が統一され、青銅器や玉器の装飾に用いられるようになった。秦漢時代には「尖った頭に幅広い耳、体は長く大蛇のように屈曲、背中にひれを持ち、四つ足は対称で鋭い爪を持つ」という基本的な姿が徐々に形作られた。

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 10日、山西省考古研究院「山西出土竜文物展」で展示された青竜壁画(宋金時代)。(太原=新華社記者/王学濤)

 墓の壁画や石刻、銅鏡、瓦当(がとう、筒瓦の先端部分)などの装飾では青竜・白虎・朱雀・玄武の四神の組み合わせ、または単独の青竜の姿を見ることができる。四神は当初、天の四つの方角を司る神獣とされたが、漢代以降になると不老不死、家と墓の守り、邪気の駆除、瑞祥と幸福祈願など人々の願望が託されるようになった。

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 10日、山西省考古研究院「山西出土竜文物展」で展示された竜形玉佩(りゅうけいぎょくはい、東周時代)。(太原=新華社記者/王学濤)

 日常生活で竜を多く目にするのは古建築であり、山西省古建築・彩塑壁画保護研究院の王春波(おう・しゅんは)研究員によると、竜は宮殿や宗廟、祠堂(しどう)など伝統建築の瓦当や藻井(そうせい、天井装飾)、柱、照壁(門外に設置する目隠し塀)などでよく見られるという。

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 10日、山西省考古研究院「山西出土竜文物展」で展示された竜柄鶏首壺(りゅうへいけいしゅこ、北魏時代)。(太原=新華社記者/王学濤)

 王氏は「竜は人に神秘的、威厳的な感覚を与える。中華民族のトーテム、精神の象徴、文化の印、感情の紐帯(ちゅうたい)だ」と説明。竜のイメージは伝統の形と時代の魂が融合していく中で徐々に豊かになってきたとし、竜が現在までの数千年間受け継がれ、最終的に民族の力を凝縮する要素になったのもこのようなイメージの蓄積に起因するのではないかと語った。(記者/王学濤)

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 山西省太原市にある竇大夫祠(とうたいふし)の正殿の門に施された明代の竜の装飾。(1月28日撮影、太原=新華社記者/王学濤)

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 商(殷)代の青銅器、竜形觥(りゅうけいこう、山西博物院蔵)のふたに施された竜の文様。(資料写真、太原=新華社配信)

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 山西省臨汾市襄汾県の陶寺遺跡から出土した彩絵竜文陶盤(さいかいりゅうもんとうばん、4300年前)。(資料写真、太原=新華社配信/高江濤)

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 10日、山西省考古研究院「山西出土竜文物展」で展示された竜彫石柱礎(北魏時代)。(太原=新華社記者/王学濤)

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 10日、山西省考古研究院「山西出土竜文物展」で展示された竜文滴水(りゅうもんてきすい、明代)。(太原=新華社記者/王学濤)

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 山西省大同市の九竜壁。(資料写真、太原=新華社配信/馬暁堃)

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 10日、山西省考古研究院「山西出土竜文物展」で展示された竜形玉佩(りゅうけいぎょくはい、東周時代)。(太原=新華社記者/王学濤)

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 10日、山西省考古研究院「山西出土竜文物展」で展示された竜形銅環飾(りゅうけいどうかんしょく、西周時代)。(太原=新華社記者/王学濤)

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 10日、山西省考古研究院「山西出土竜文物展」で展示された竜文銅鉞(りゅうもんどうえつ、西周時代)。(太原=新華社記者/王学濤)

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 10日、山西省考古研究院「山西出土竜文物展」で展示された竜形玉佩(りゅうけいぎょくはい、東周時代)。(太原=新華社記者/王学濤)

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 10日、山西省考古研究院「山西出土竜文物展」で展示された竜文鏤空金環形飾(りゅうもんろうくうきんかんけいしょく、西周時代)。(太原=新華社記者/王学濤)

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 10日、山西省考古研究院「山西出土竜文物展」で展示された回首竜柄銅斗(かいしゅりゅうへいどうと、西周時代)。(太原=新華社記者/王学濤)

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 3日、山西省大同市の明代大同県文廟前に立つ磚彫竜壁(せんちょうりゅうへき)。(太原=新華社記者/王学濤)

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 3日、山西省大同市の明代大同県文廟前に立つ磚彫竜壁(せんちょうりゅうへき)に彫られた竜。(太原=新華社記者/王学濤)

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 3日、山西省大同市の善化寺前に立つ明代の五竜壁。元は興国寺山門前の照壁だった。(太原=新華社記者/王学濤)

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 3日、山西省大同市の大同府文廟内に立つ五竜壁。創建は明代末期で、元は大同天竺廟山門前の照壁だった。(太原=新華社記者/王学濤)

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 3日、山西省大同市の観音堂に立つ三竜壁。(太原=新華社記者/王学濤)

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 山西省太原市の晋祠(しんし)聖母殿前の木彫り蟠竜。(資料写真、太原=新華社配信)

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 山西省太原市の晋祠(しんし)聖母殿前の木彫り蟠竜。(資料写真、太原=新華社配信)

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