肉厚の「ぐしちゃんピーマン」 農水省GI登録で生産追い風 甘さとしゃきしゃき食感が特徴 沖縄・八重瀬町

ぐしちゃんピーマンのGI登録を前門尚美農林水産部長(右から4人目)に報告するJAおきなわ具志頭支店の生産者ら=14日、県庁

 八重瀬町具志頭地区で生産されている肉厚のピーマン「ぐしちゃんピーマン」が、地域の農林水産物や食品のブランドを模倣品から守る農林水産省の地理的表示(GI)に登録されたことを受けて、JAおきなわ具志頭支店の島克行野菜生産部会長らが14日、県庁に前門尚美農林水産部長を訪ね、登録を報告した。

 県産の青果物がGIに登録されたのは初めて。リンゴのような甘さとしゃきしゃきとした食感が特徴で、県外からも引き合いがあり、生産を伸ばしているという。JAの島氏は「登録は県職員やJAの皆さんのご協力のおかげだ」と感謝。前門部長は「沖縄ブランドのPRに喜ばしいことだ」と歓迎した。

 ぐしちゃんピーマンは温暖な気候に向く「ちぐさ」という品種を使い、通常の中型ピーマンの2倍の重量がある。県内で冬春期に生産されるピーマンの8割近くはぐしちゃんピーマン。「ちぐさ」は県外で生産されることもあるが担当者によれば「ここまで大きく育つのは具志頭ならでは」。

 ピーマンは気温が15度以上あれば生産でき、県内ではハウス内で暖房をつけずに栽培できる。県外で生産が難しい冬春期にも燃料代をかけずに生産することが可能だ。2022年の冬春期における県内のピーマン出荷量は12年比1.3倍の2260トンで、全国5位。生産性が高く収入も安定していることから、近年若手の生産者も増えているという。(政経部・大川藍)

八重瀬町具志頭地区で生産する肉厚の「ぐしちゃんピーマン」

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