２年連続100勝以上、６年連続で地区優勝しているブレーブスを止めるチームは現れるのか。今季も優勝候補の１つに挙げられているブレーブスは、今オフにも積極的に補強を行っている。ナ・リーグ東地区の戦力分布を紐解いていく。
６年連続で地区優勝を果たしているブレーブスの勢いが止まらない。昨季、メジャー歴代最多タイとなるシーズン307本塁打を記録した重量打線に加え、先発３本柱も健在。それだけではなく、さらなる補強を続けている。
日本時間２月15日時点で、データサイト「ベースボール・プロスペクタス」の成績予想システムである「PECOTA」による今季の順位予想はこちら。
１ ブレーブス（100.7勝61.3敗／勝率.622／プレーオフ進出確率99.5％）
２ フィリーズ（84.2勝77.8敗／勝率.520／50.9％）
３ メッツ（83.5勝78.5敗／勝率.515／47.3％）
４ マーリンズ（79.9勝82.1敗／勝率.493／25.9％）
５ ナショナルズ（58.2勝103.8敗／勝率.359／0.0％）
ブレーブス打線の中心は、昨季41本塁打、73盗塁でメジャー史上初の「40－70」を達成し、MVP投票では大谷翔平と同じく満票で受賞したロナルド・アクーニャJr.だ。そして、54本塁打、139打点で二冠に輝いたマット・オルソンらが並ぶ重量打線は今季も健在だ。
投手陣は、最多勝と最多奪三振の二冠に輝いたスペンサー・ストライダーを筆頭に、先発３本柱が健在。そこに、2012年から７年連続で２ケタ勝利を挙げ、最多奪三振のタイトルを２度も獲得しているクリス・セールをレッドソックスからトレードで獲得するなど、今季も投打に隙がない。
そんなブレーブスに待ったをかけるのが、２年連続ワイルドカードでポストシーズン（ＰＳ）に進出し、２年連続でブレーブスを地区シリーズで破っているフィリーズだ。リードオフマンとして47本塁打を放ったカイル・シュワーバーや、昨季通算300本塁打を達成したブライス・ハーパーと昨季29本塁打のニック・カステヤノスが形成する３・４番コンビは投手にとって恐怖の布陣だ。昨季23セーブを挙げたクレイグ・キンブレルはＦＡでチームを去ったが、剛腕ホセ・アルバラードが新たな守護神候補となっている。
昨季は大補強で「打倒・ブレーブス」を狙ったメッツは、シーズン途中にマックス・シャーザーとジャスティン・バーランダーの２大エースを放出して再建に舵を切ったが、今季はエースとなった千賀滉大を中心に堅実な補強を敢行している。
投手陣では、2018年に19勝を挙げ、ヤンキースからＦＡとなったルイス・セベリーノと、これまで３度の２ケタ勝利を挙げているショーン・マナイアを補強した。中継ぎには藤浪晋太郎も加わったが、守護神エドウィン・ディアスの故障からの完全復活がチームに勢いをもたらすだろう。
４位予想のマーリンズは、2020年オフにメジャー史上初の女性ＧＭに就任したキム・アングが退任し、ピーター・ベンディックスが編成本部長に就任するなど、転換期を迎えている。４年連続最下位のナショナルズは積極的な補強は行わず、今季も我慢のシーズンになるとみられているが、2017年から２年連続でシーズン40本塁打以上を放ったジョーイ・ギャロをＦＡで獲得しており、その豪快なバッティングに注目が集まる。
ブレーブスが圧倒的有利とみられる状況は変わらないが、いざシーズンが始まれば、どうなるかはわからない。「打倒・ブレーブス」を果たすチームは現れるのか。ブレーブスが今季も独走した場合、また新たな記録は生まれるのか。どちらでも、今季もナ・リーグ東地区は面白くなりそうだ。
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