モレノ・オーナーに球団売却の意思なし 昨季よりペイロール縮小へ

エンゼルスのアート・モレノ・オーナーは地元紙「オレンジ・カウンティ・レジスター」のジェフ・フレッチャー記者の取材に応じ、様々なトピックについて言及した。そのなかには、球団を売却する計画がないこと、今季のペイロールが昨季よりも縮小される見込みであることなどが含まれている。モレノ・オーナーは2022年8月に球団売却を検討していることを公表。その後、2023年1月に球団売却の方針を撤回した。モレノ・オーナーは「私はここに長くいるつもりだ。球団を売りに出していない」と話している。

昨季のエンゼルスは大谷翔平のFA前ラストイヤーだったこともあり、ポストシーズン進出を至上命題としていた。トレード・デッドラインでは数少ない若手有望株を放出し、ルーカス・ジオリトらを補強。この時点でペイロールはぜいたく税の基準額を超過した。ところが、エンゼルスはトレード・デッドライン後に大きく失速。ポストシーズン進出は絶望的となり、主力選手を次々にウエーバーで放出し、辛うじてぜいたく税のペナルティを回避した。

大谷がFAでドジャースへ移籍したため、「エンゼルスはチーム再建を開始するのではないか」と予想する声もあったが、ペリー・ミナシアンGMは昨年11月の時点でチーム再建はせず、2024年も引き続きポストシーズン進出を目指すことを明言。今オフは積極的にブルペンの強化を行っており、ロバート・スティーブンソン、マット・ムーア、ルイス・ガルシア、アダム・シンバー、ホセ・シスネロらを次々に獲得した。

エンゼルスは現時点で今季のペイロールが1億7300万ドル、ぜいたく税のルールに基づいた計算でも1億8800万ドルとなっており、基準額まで5000万ドルほどの余裕を残している。昨季と同水準のペイロールに戻すのであれば、ブレイク・スネルやコディ・ベリンジャーといった大物FA選手を獲得することも可能だが、ペイロールを縮小するのであれば、大物獲得は現実的ではないだろう。

現時点では大谷の穴を埋めるための補強は行っておらず、9年ぶりのポストシーズン進出を成し遂げるためには、マイク・トラウトやアンソニー・レンドンが故障なくシーズンを過ごし、実力をフルに発揮することが必要不可欠となりそうだ。

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