中国の春節連休、スポーツが新たな風物詩に

中国の春節連休、スポーツが新たな風物詩に

11日、吉林省吉林市の万科松花湖リゾートでスキーを楽しむ人々。(吉林=新華社記者/張楠)

 【新華社北京2月16日】中国でここ数年、春節(旧正月)の大型連休を利用して家族や友人とスポーツを楽しむ人が増えている。体を動かして汗をかきながら、新年を迎える喜びを味わうという「健康的な年越し」が新たなトレンドになっている。

 「パウダースノーに突っ込めるのが、最高の新年の贈り物」と語るのは、スキー愛好家の羅正燁(ろ・せいよう)さん。心行くまでスキーを楽しむため、連休初日から娘と共に新疆ウイグル自治区イリ・カザフ自治州アルタイ地区の山奥にある禾木(クム)村で過ごす。

 禾木村には全国各地から大勢のスキー客が訪れる。「自在空間」という民宿を経営する徐光建(じょ・こうけん)さんによると、客室7室のうち親戚用に確保した2室を除く全室が春節の半月前に予約で埋まった。

中国の春節連休、スポーツが新たな風物詩に

5日、新疆ウイグル自治区イリ・カザフ自治州アルタイ地区の禾木(クム)村でスノーチューブを楽しむ親子連れ。(アルタイ=新華社記者/馬鍇)

 同じくスキーの名所として知られる吉林省吉林市もにぎわっている。市内でスキー場を運営する万科松花湖リゾートの黄鍾鋭(こう・しょうえい)マーケティング部ディレクターは、シーズン初めから旧暦1月3日に当たる12日までの利用客が56万4千人に上ったと説明。「ピークに入った12日以降は、毎日約1万5千人を受け入れている。春節期間全体で10万人に上る見込みだ」と語った。

 四川省広安市武勝県にある竜女湖では旧暦の元日に当たる10日、趙正洪(ちょう・せいこう)さんと友人らが水泳リレーやフリースタイルサップなどを楽しんだ。発起人の趙さんは「春節連休は家族とも過ごすが、気の合う友人たちと体を動かすのも大きな楽しみになっている」と話した。

中国の春節連休、スポーツが新たな風物詩に

江蘇省徐州市沛県の八堡村で行われたサッカーの「村界杯(村カップ)」。(資料写真、徐州=新華社配信)

 春節を健康的に過ごすという考えが全国的に定着してきており、民間スポーツ大会も伝統行事となりつつある。江蘇省徐州市沛県の八堡村では旧暦元日の午後、年に一度のサッカー大会「村界杯(村カップ)」が開幕。省内外の46チームが旧暦1月7日に当たる16日まで熱戦を繰り広げる。初日は近隣の都市や農村から1万人以上が観戦に訪れた。

 沛県七堡八堡村サッカー協会の馬遠強(ば・えんきょう)副会長によると、村界杯は2021年の春節に始まった。今年の参加申し込みチーム数は例年を大きく上回るという。

 南京で働くサッカー愛好者の方立静(ほう・りつせい)さんも、春節連休は村に戻って試合に出場する。「春節期間に毎年開かれる『村界杯』は、私たちにとって年越しの新たな風習になっている」と話している。

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