甲本ヒロト、岡村靖幸ら『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』に絶賛コメント

3月1日から公開されるリトル・リチャードの生涯を描いたドキュメンタリー映画 『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』に各界の著名人からコメントが寄せられた。

リトル・リチャードは、1950年代半ばに彗星のように音楽シーンに現れ、後進のロック・ミュージシャンに多大な影響を与えた革新的黒人アーティスト。ミック・ジャガーは「ロックンロールはリトル・リチャードが始めた」と語り、エルヴィス・プレスリーは「彼こそロックンロールの真のキングだ」と称賛。ビートルズのデビュー前から親交があったジョン・レノンは「初めて会ったとき、畏敬のあまり、硬直してしまった」と言い、ポール・マッカートニーは「歌で叫ぶのはリチャードの影響さ」と語る。はたして彼はいったいどのような生い立ちを経て、その名を世界に刻んでいったのか。

本作では、豊富なアーカイヴ映像、本人およびその親族や関係者、識者に加え、ジャガー、リチャーズ、マッカートニー、デイヴィッド・ボウイら著名ミュージシャンによる証言映像とともにその素顔に迫っていく。

本作を一足先に観たザ・クロマニヨンズの甲本ヒロトと真島昌利、岡村靖幸ら日本のトップミュージシャン、ラジオDJ、音楽評論家たちが絶賛コメントを寄せている。

コメント
●2024.春. 仲井戸“CHABO”麗市
「元祖キング・オブ・R&R! L・リチャード」
そのキャリア、人生の色あいといった事は、今までに種々なる文献、映像etcで認識してたつもりであったが、この「アイ・アム・エヴリシング」は1人の人間の個人史としてもきわめて意義深い尊い貴重なドキュメントだ。
今やザ・ビートルズは教科書に載る……ならば、さぁL・リチャードをも教科書に!
その崇高たる唄声、叫び、痛み、愛、人生を聴け!
R&Rの揺ぎなき王者、リトル・リチャードという名のDeepな「光と影」を聴け!

●近田春夫
よくこれだけの量のちゃんとした記録映像が残っていたものだ。
歌手/ピアニストとして、リトル・リチャードの才能が如何に豊かであったか改めて思い知らされた。
ヒット曲の数々は自分がレパートリーにしていた時期もあるぐらいだが、これを観るまでリトル・リチャードがどのような人間なのかほとんど理解していなかった。
リトル・リチャードがロックンロールを発明した。
その意味の重要性を、この映画を観て是非知って欲しいのである。

●甲本ヒロト(ザ・クロマニヨンズ)
爆発する人。歩く火山。絶頂が噴火する。
霊長類最強の声が常識を吹き飛ばす。ギャー!!

●真島昌利(ザ・クロマニヨンズ)
ワッバパルマッブラッバンバン!
ロックンロールは「笑い飛ばしちまえよ、BABY!」
と、心を吹き飛ばすダイナマイトを俺に食らわせました。
とりわけ、大声で笑い飛ばしていたのは、リトル・リチャードでした。
ワッハッハッハッ、ぶっ飛ばしていこうぜ、ロックンロール!!

●岡村靖幸
リトル・リチャード
こんなにイカしたアーティストがあの時代に生まれたのは奇跡的だし、
その後のアーティストの影響を考えると、エルヴィスよりキングだったのかも。
後、プリンスはリトル・リチャードそっくりなのがよくわかりました。
必見!

●臼井ミトン(シンガーソングライター/ラジオDJ)
道化役を演じ切ったロックンロールのパイオニアの知られざる苦悩と素顔。
胸に迫るこの物語を、全ての音楽ファンに観て欲しい!

●高中正義
1992年、ロサンゼルスでリトル・リチャードとレコーディングの時、
You're fired! 「おまえはクビだ!」と言う英語を覚えて(fireの使い方です)、リトル・リチャードの前で使ってみたくなって
もし僕のギターが良くなかったらクビにしてください と言う謙虚な気持ちを言ってみたら、彼はじっと黙ってしまった!
俺は変なこと言っちゃった!と焦っていると。ずいぶん時間が経ったらガハハハ!って大笑いしてしばらく止まらなかった 僕はほっとした。
年代も、日米間の距離も離れているリトル・リチャードとレコーディングができたと言うのは、当時、僕が所属していた東芝EMIの石坂敬一氏の采配でできたことで、彼と日米のスタッフにはとても感謝しています。
ミック・ジャガーやデビットボーイが他のミュージシャンを褒めちぎっているのは初めて見ました。
リトル・リチャードの素晴らしい歌唱力とパフォーマンス。
若い人たちにもぜひ見てもらいたいです。
映画『グリーンブック』何回も見ましたが、車の中で君はリトル・リチャードを知らないのか?と言う場面を見ると嬉しくなります

●DJ OSSHY(ディスコDJ)
音楽に黒人も白人も無い。
特に、ロックンロールに対する概念、認識が、この映画によって大きく再認識させられました。
ロック、ソウル、ゴスペル、ディスコ……。
さまざまなジャンルが存在する現代、ジャンルを超越し、垣根を超えた、魂のこもった演奏スタイル。
ロックンロールの原点にリトル・リチャードあり、を実感出来る映画。
音楽ファンとして、とても勉強になりました。

●ジョージ・カックル(DJ・ラジオパーソナリティー)
この映画を見るまで、僕はリトル・リチャードを同世代のバディー・ホリーやビル・ヘイリーのようなミュージシャンと同じに器に入れていた。リトル・リチャードがこれほどまでにロックの進化に関わっているとは思わなかった。彼はビートルズやローリング・ストーンズに多大な影響を与えたこともあるが、それまであったロックンロールの伝統的なイメージに、ダンプで突っ込んでいったようなものだった。彼のステージセンスがなければ、マイケル・ジャクソンやプリンスがいることも想像できない。そこに彼のメンバーであったジミヘンも入れてみると、リトル・リチャードのストーリーがもっと深くなるだろう。
リトル・リチャードはインテリで自信家、謎めいていてエキサイティングだ。トレンド・セッターでジェンダーヴェンディング、その上、宗教的に混迷している。
ロッカーとして必要なものは全て持っているのではないだろうか。
Enjoy This movie !!!

●萩原健太(音楽評論家)
ロックンロールとは何か?
この映画を見た今、その答えがここにある。
ロックンロールとは、そう、リトル・リチャードのことだ。

●高橋芳朗(音楽ジャーナリスト)
LGBTQ+、レイシズム、セルフラブ、カルチュラルアプロプリエーション(文化の盗用)。
リトル・リチャードについて考えることは、そのまま現代社会の重要トピックと向き合うことでもある。「Tutti Frutti」のヒットから来年で70年を迎えるが、この破天荒なロックンロールレジェンドの実態に迫るには今がベストなタイミングなのかもしれない。

●ピーター・バラカン(ブロードキャスター/本作字幕監修)
この映画でリトル・リチャードは自分のことをロックンロールの設計者という風に話しています。一人だけではないにしろ、決して間違ってはいない主張です。
また保守的だった1950年代に自分がゲイであることを隠さずに活動していたことでも、当時語られなかったところでの影響力がありました。
2020年に他界したこの伝説のミュージシャンを様々な角度から描いたこのドキュメンタリーを、すべての音楽ファンにお薦めします。

(文=リアルサウンド編集部)

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