上海口岸の貿易額、3年連続で10兆元上回る

上海口岸の貿易額、3年連続で10兆元上回る

上海羅涇(らけい)埠頭(ふとう)から積み出される「一帯一路」共同建設国向けの設備一式。(2023年12月22日撮影、上海=新華社配信)

 【新華社上海2月16日】中国上海口岸(通関地)の監督管理・商務主管部門がこのほど発表した同口岸の貿易額は、2021年から3年連続で10兆元(1元=約21円)を上回った。21年は10兆900億元、22年は10兆4千億元、23年は10兆6600億元。口岸の貿易額は現在、世界全体の約3.6%を占めている。

 23年の上海浦東国際空港の国際速達便取扱件数は前年比2.5倍の4億8400万件となり、1日当たり132万件以上に上った。中国最大のロールオンロールオフ(RORO)方式による自動車積み出し埠頭(ふとう)、上海外高橋港区の海通国際自動車埠頭からの自動車輸出台数は102万5千台と過去最高を更新し、2年連続で100万台を上回った。

 上海洋山口岸では1月25日、スペイン産の柿15.8トンが通関手続きを終え、国内の各販売店に向け発送された。全国の口岸の果物輸入量で、上海口岸はここ数年、トップの座を維持。23年の輸入量は全国の4分の1を占め、輸入額は前年比21.8%増の26億7600万ドル(1ドル=約150円)に上った。イラン産のかんきつ類やエクアドル産のドラゴンフルーツなど、新たに輸入が承認された果物が相次いで上海から中国市場に上陸した。

上海口岸の貿易額、3年連続で10兆元上回る

上海横沙漁港に水揚げされたカニを調べる上海税関の職員。(2月4日撮影、上海=新華社配信)

 浦東国際空港や洋山港、外高橋港などの主な空運・海運口岸のほか、他の独自色ある港湾や埠頭、税関特殊管理区が一丸となって、同市の貿易額を3年連続で10兆元以上に押し上げ、質が高く持続可能な貿易を目指して進んでいる。

 市内にある羅涇(らけい)埠頭は、長江に面したばら積み貨物埠頭で、昨年はコンテナ以外の貨物140万トンを「一帯一路」共同建設国に輸出し、「一帯一路」共同建設に欠かせない役割を果たした。

上海口岸の貿易額、3年連続で10兆元上回る

上海市の南東部に位置する南港埠頭(ふとう)での荷積み作業。(1月25日撮影、上海=新華社配信)

 口岸のハード面の機能改善支援に加え、自由貿易試験区に代表される一連の改革開放の取り組みも、上海口岸の貿易額が3年連続で10兆元を上回る活力の源となった。同口岸はこのほど「保税と免税の連携」新モデル改革試行事業を開始した。

 上海税関が管轄する黄浦税関の張馳海(ちょう・ちかい)副税関長は免税業界の企業が今後、市内で貨物の輸入業務を行う場合、直接免税扱いで輸入するか保税扱いで輸入しその後免税輸入に移行するかを選択できるようになり、輸入時の通関の柔軟性や機動性、適時性が一段と増すだろうと語った。(記者/呉宇)

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