山本一慶がキュートな女性に?!ロマンティックコメディ『さよなら、チャーリー』開幕

ロマンティックコメディ『さよなら、チャーリー』が池袋あうるすぽっとにて開幕。
この作品はブロードウェイにて1959年に初演、その後映画化もされ、 日本初演の1969年から現在まで上演を重ねている名作。
物語は、人妻との浮気現場をその亭主に見つかりピストルで撃ち殺されたチャーリーが、数々の女性と浮名を流してきた天罰で、この世に女として転生したことで始まる、おかしくも切ないファンタジックコメディ。

場面は葬式、場所は主人公・チャーリー(山本一慶)の部屋、皆、喪服を着ている。チャーリーにゆかりがある人たち。だが、人数は…少なめ、ジョージ(井澤勇貴)を含めたった3人。

チャーリーは多くの女性と浮名を流していたが、ついに不倫相手の逆鱗に触れてしまい、ピストルで撃たれて死んだのだった。しょうもない死に方をしたチャーリー、そこへ花を持った女性、彼女はラスティ(大湖せしる)、その最後の相手であり、彼女の夫がチャーリーを射殺したのだった。彼女はチャーリーの部屋にある自分のものを処分して欲しいと頼む。

そんなこんなで来客が帰り、1人になったジョージ、なんだかんだ親友だったチャーリーがいなくなったのは寂しい、レコードをかける。そこへ、トレンチコートを着た、ちょっと大柄な女性がやってきた。「どちら様ですか?」女性は妙に馴れ馴れしく、テンションも高い、自分をチャーリーと言い張る。ジョージの頭の中は「????」。自分の葬式に対して「それ、ウケる」と言ったり。だが、チャーリー本人しか知り得ないことをペラペラ喋る、チャーリーは女性に転生した?レインコートの中は…「!!!!!」。

神様が与えた罰だ…というジョージ、神は確かにいる、しかもとんでもないユーモアの持ち主というチャーリー。そしてポシティブ、と言えば聞こえはいいが、見方を帰ればかなり楽天的、”冒険”と思い、女になるならナイスなボディがいいetc.と前向き発言。女性として生きるしかないチャーリー。1幕はチャーリーとジョージの会話がほとんど。そしてチャーリーがトイレに行ってる間、チャーリーを射殺した張本人・メイヤリング(ルー大柴)がやってきた。

どうも釈放された様子、保釈金を払った、「弁護士にぼったくられた」とメイヤリング。彼は「本当はチャーリーが好きだった」と言う。そこへチャーリーが、メイヤリング、見惚れる、チャーリーは一発お見舞いを(笑)、ここは見どころ。ちょっとでもイケてる女性になろうとエリザベス・アーデンに入り浸ろうなど、あれこれ(笑)。

そんなチャーリーはちょっと可愛かったり。そんなチャーリーを変わらぬ友情で見つめるジョージだが、チャーリーが女性になったことで微々たる変化が…ここは劇場で。また、2人のダンスシーンも、ここも必見。また、ジェニファー(神谷敷樹麗)という女性がやってきて、彼女はジョージの恋人、女性になったチャーリーを見て…怒って帰る(無理もない)。

そして2幕、「起きろ、チャーリー」布団をとると…いない。

チャーリーはエリザベス・アーデンに行ってた…帰ってきたら、見た目はすっかり女性らしく。エリザベス・アーデンでの出来事を面白おかしく!再現ドラマのように(笑)、コミカルな場面。

チャーリーは少しずつ女性になっていく、ジョージへの感情も変化、親友の2人、ジョージは親友としてチャーリーと接するも、当のチャーリーは…そしてラストへと、また最後にタイトルの「さよなら、チャーリー」の意味も。

チャーリー役は初演の越路吹雪始め、宝塚のトップスターがほぼキャスティング、また、池畑慎之介もチャーリーを演じているがバリバリの男優がチャーリーを演じるのはかなりレア。演じるは山本一慶、『夏の夜の夢』でハーミアを演じていたが、中身は男性、少しづつその中身も女性らしく、というチャーリーを声のトーンや仕草などでうまく変化をつけて好演。対するジョージ役の井澤勇貴、翻訳劇はお初とのことだが、チャーリーに対する感情のうつり変わり、後半はその表情に変化が。髭がなかなかお似合い。ルー大柴、今年70歳に、と会見で発言していたが、ダンディないでたちで登場場面は1幕のみだが、印象深く、さすが。チャーリーの不倫相手のラスティは大湖せしる、キュートな佇まい、チャーリーが好きになるのも無理はない。”ロマンティックコメディ”と銘打っているだけあって、ただ笑えるだけでなく、観終わったあとは気持ちが優しくなれる。ロマンス、愛、チャーリーは世間的にはジェニファーの言う通り「クソ野郎」だが、憎めない。気楽に楽しく観劇できる作品、何度も上演される所以、観終わったあとはハッピーな気分に。

初日を前に簡単な会見が行われた。登壇したのは山本一慶、井澤勇貴、大湖せしる、ルー大柴。
山本一慶は「稽古からあっという間」とコメント、また、井澤勇貴は「(チャーリーと)絡むことが非常に多いです、やっと公開イチャイチャをお客さまにやっとお届けできます」と語るが、この公開イチャイチャ、おっと〜というシーンもあるので。ルー大柴は「今年70歳、まさかステージに立つとは」と語ったが、まだまだ現役でやれそうな、お元気そのもの。大湖せしるは「大好きなルーさん、役者として素敵」と大絶賛。またルー大柴は山本一慶とのアクションシーンが。そして「(山本一慶と井澤勇貴)2人で踊るシーンがあります。息ぴったり」とベタ褒め。ここも見どころの一つ、最初のぎこちなさから、こなれていく過程が良い感じ。
山本一慶は「愛とは何だろうと呼びかける作品になっています。男の子が女の子になっての葛藤がリアル。もし、こういう現象があったらどうなるんだろうと考えさせられます。是非是非、皆さん、笑う部分もありますが、昔ながらのロマンスもありますので気軽に楽しんでいただけたら」とPR。公演は25日まで。

<大湖せしる インタビュー>

概要
ロマンティックコメディ『さよなら、チャーリー』
日程会場:2024年2月16日(金)~2月25日(日) 池袋あうるすぽっと
作:ジョージ・アクセルロッド
訳:小田島恒志
演出:岡本さとる
製作:アーティストジャパン
出演:山本一慶、井澤勇貴/大湖せしる、神谷敷樹麗、枝元萌、柳内佑介/ルー大柴

問合:03-6820-3500 https://artistjapan.co.jp/

公式HP:https://artistjapan.co.jp/goodbye-charlie2024/

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