どれを買うか迷ったらシンプルに「業界首位の株」を選べばよい<納得の理由>【資産1億円超えの兼業投資家が解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

特定の業界の株を買いたいと思っても、どの銘柄を買えばよいか迷うこともあるでしょう。長期的に安定して利益を出す銘柄をどうやって見極めればよいのでしょうか。本記事では、『月41万円の“不労所得”をもらう億リーマンが教える 「爆配当」株投資』(KADOKAWA)から、著者の〈なのなの氏〉が購入銘柄に迷ったときの選び方を解説します。

迷ったら「業界首位の株」を買っておけばいい理由

特定の業界の株を買いたいものの、どの銘柄を買えばいいのかよくわからないときは、とりあえず業界首位の株を買ってみてはいかがでしょうか。

例えば、鉄鋼業界であれば日本製鉄(5401)、海運業界であれば日本郵船(9101)、銀行業界であれば三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が業界首位の銘柄となります。

業界首位の企業は、次の点などで2位以下の企業より優れていると言えます。

① 製品・サービスの開発力・技術力・マーケティング力が高い

② 生産力や供給力の高さから低いコストで製品・サービスを提供できる

③ 知名度や高い給与水準から優秀な人材を採用することができる

④ 高いブランド力により製品・サービスが顧客に選択される

その他、『千年投資の公理』(パット・ドーシー、パンローリング、2014年11月)は、経済的堀(※)を見極めるためのフレームワークとして、次の4つを挙げています。

(※)競合他社を寄せ付けず、長期にわたって経済的利益の創出を可能にする競争優位性のこと。

・ブランド、特許、行政の認可などの無形資産を持つ企業は、ライバル企業がかなわない製品やサービスを販売できる

・販売している製品やサービスが顧客にとって手放しがたいものであれば、乗り換えコストが少しでも余計にかかることによって顧客離れを防ぎ、価格決定力を企業の方に与える

・ネットワーク経済の恩恵を受ける一部の幸運な企業には、長期間ライバルを閉め出すことができる強力な経済的な堀がある

・最後に、生産過程や場所、規模、独自のアクセスなどによって製品やサービスをライバルよりも安い価格で提供できる企業にはコスト上の優位性がある

これらは業界下位の企業よりも首位の企業の方がよく当てはまり、その分業界首位の企業は市場から高い評価を受ける(高い株価となる)ことになります。

業界を決め打ちして株を買いたいけれど、どの企業の株を買えばいいかわからないというときは、とりあえず業界首位の株を買うことをお勧めします。

業界3位までの企業と4位の企業には「圧倒的な差」がある

また、余談ではありますが、ある程度寡占(※)が進んでいる業界においては、業界3位までの企業と4位の企業との間に圧倒的な差が生じていることも多くあります。

(※)同一産業内で、少数の企業がその市場を支配している状態のこと。

次に①銀行、②コンビニチェーン、③携帯電話業界の首位から4位までの企業を数値とともに挙げてみました([図表1]~[図表3]参照)。

① 銀行(2023年3月期の経常収益)

1位 三菱UFJフィナンシャル・グループ:9兆2810億円

2位 三井住友フィナンシャルグループ:6兆1421億円

3位 みずほフィナンシャルグループ:5兆7787億円

4位 りそなホールディングス:8679億円

[図表1]銀行・経常収益

② コンビニチェーン(2023年1月時点の店舗数)

1位 セブンイレブン:2万1111店

2位 ファミリーマート:1万6314店

3位 ローソン:1万3735店

4位 ミニストップ:1868店

[図表2]コンビニチェーン・店舗数

③ 携帯電話(2022年12月時点のMVNO含むシェア)

1位 NTTドコモ:42%

2位 KDDI:30%

3位 ソフトバンク:26%

4位 楽天グループ:2%

[図表3]携帯電話・シェア

結果論かもしれませんが、上記のような数値込みの業界ランキングを見ると、3位まで寡占状態であり、かつ既に成熟していた携帯電話業界に膨大な資金を投入して参入した楽天は無謀であったと言えるかもしれません。

企業の業界内での立ち位置を考えるとき、業界再編後の全体像を考えるときなどに、比較的寡占の進んでいる業界において存在感を示すことができるのは3位まで、と覚えておいて損はないかもしれません。

なのなの

サラリーマン兼業投資家

※本記事は『月41万円の“不労所得”をもらう億リーマンが教える 「爆配当」株投資』(KADOKAWA)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。

© 株式会社幻冬舎ゴールドオンライン