メルセデスがF1ニューマシン「W15 Eパフォーマンス」を公開。シルバーアローのボディカラーが復活【2024 F1プレビュー】

2024年2月14日(現地時間)、メルセデスF1チームは2月29日に開幕するバーレーンGPに向けて2024年シーズンを戦うニューマシン「メルセデス-AMG F1 W15 Eパフォーマンス」を披露、その後、イギリス・シルバーストンでシェイクダウンを行った。

2023年シーズン後半の好調ぶりに復活の予感

2014年から2021年までコンストラクターズ選手権を8年連続で獲得、圧倒的な速さで黄金時代を築き上げたメルセデスだが、シャシに大幅な技術変更が行われた2022年にはマシン開発に失敗。マシンが上下に振動するポーパシング現象に悩まされ、ルイス・ハミルトンをもってしても一度もポールポジションを獲得することができず、優勝から遠ざかったままシーズンを終えた。

2月29日のシーズン開幕を前に公開されたメルセデス-AMGのニューマシン「W15 Eパフォーマンス」。このアングルからの見たボディカラーは昨年のマシンに近い。カーボンそのままの部分もある。

2022年シーズン後半にようやく競争力を取り戻したメルセデスは、終盤のブラジルGPでジョージ・ラッセルが初勝利を挙げ、ハミルトンが2位に入る1-2フィニッシュを達成して、2023年シーズンの活躍が期待された。

ところが、2023年になって再び失速。2022年シーズン後半に競争力を取り戻したことで従来のコンセプトを継続することになったが、進化の方向を見誤った。

2023年の開幕戦で失敗に気づいたメルセデスはすぐさま大幅な刷新にとりかかり、従来のゼロサイドポッドを諦め通常サイドポッドに変更。ハンガリーGPでハミルトンがポールポジションを獲得する速さを取り戻し、最終的にチームはコンストラクターズ選手権で2位を獲得するまで復活した。

2024年シーズンを戦うニューマシン「メルセデス-AMG F1 W15 Eパフォーマンス」はそのチャレンジの延長線上にあるもので、イチから開発し直したことで大幅なラップタイム短縮を達成したといわれるが、ライバルも進化を遂げているのは確実で、どれほどのアドバンテージを得ているのかは始まってみないとわからない。

なお、ドライバーは今年もルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルの体制となるが、ハミルトンはチームとの契約を1年早く終わらせ、2025年からフェラーリに移籍することが明らかになっている。メルセデスでの最後のシーズンとなる2024年、ハミルトンはどんな走りを見せるのだろうか。

ウエットコンディションの中、シルバーストンでシェイクダウンが行われた「メルセデス-AMG F1 W15 Eパフォーマンス」。

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