マカオ、カジノ施設の女性用トイレで強盗事件発生…中国人の女逮捕、カジノで負けやった

マカオ司法警察局(資料)—本紙撮影

 マカオ司法警察局は2月19日、同月16日にコタイ地区にある統合型リゾート(IR)併設のカジノ施設にある女性用トイレで強盗事件が発生したと発表。

 同局によれば、被害者は「換銭党」と呼ばれる違法両替従事者で、両替相手と女子トイレの個室内で取り引きを済ませたが、約30分後に再び同じ相手とトイレの個室で取り引きすることになったといい、この際に相手からどのくらいの香港ドルを持っているかと聞かれたため、バッグを開けて中に5万2000香港ドル(日本円換算:約100万円)の現金と5万香港ドル(約96万円)分のゲーミング(カジノ)チップが入っているのを見せたところ、突然相手からバックパックの一部を使って首を絞めるかたちで倒され、現金とチップ入りのバッグを奪われたという。この際、被害者は反抗して大声で助けを求め、これにカジノ施設の警備員が気づいて駆けつけ、被疑者を取り押さえて警察に引き渡したとのこと。

 被疑者は中国人(中国本土からのインバウンド旅客)の女(35)で、同局の調べに対して強盗の事実を認め、動機についてはカジノで負けたためやったと説明。同局では、女を強盗罪で検察院送致する方針とした。

 なお、被害者は全身に多数のケガを負ったが、すでに治療を終えて退院しているという。違法両替に従事していたことが明らかとなったため、治安警察局の出入境管理部門に身柄を引き渡し済みとのこと。

 マカオのカジノでプレイする際には主に香港ドルが用いられることから、中国本土から人民元を持ち込む旅客にとって香港ドルとの両替が必要となるケースがある。

 かねてよりマカオのカジノ施設内外においては、換銭党が暗躍し、これにまつわる各種犯罪も頻発していることから、警察当局が換銭党を社会及びカジノにおける治安悪化の元凶と位置付け、度々大規模掃討作戦を展開するなど、取り締まりを強化して臨むほか、インバウンド旅客に対して詐欺被害を避けるため正規ルートでの両替を行うよう呼びかけもなされている。

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