中国の辰年の春節を彩った竜文化 博物館展示や民俗芸能

中国の辰年の春節を彩った竜文化 博物館展示や民俗芸能

北京市の中国考古博物館が収蔵するトルコ石製の竜形器。(1月29日撮影、北京=新華社記者/李賀)

 【新華社北京2月20日】中国の春節(旧正月)連休(2月10~17日)では、湖北省武漢市にある盤竜城(ばんりゅうじょう)国家考古遺跡公園にも大勢の観光客が訪れた。

中国の辰年の春節を彩った竜文化 博物館展示や民俗芸能

14日、湖北省武漢市の盤竜城遺跡博物院で展示されているトルコ石と金を象眼した単頭双胴竜形文の装飾品。奥が原物、手前が復元品。(武漢=新華社記者/羅鑫)

 盤竜城遺跡は3500年前前後の商(殷)代の都市遺跡で、公園内にある盤竜城遺跡博物院では、トルコ石と金を象眼した装飾品の復元展示が多くの来場者の目を引いた。「これは盤竜城遺跡で最初に見つかった金玉象眼装飾で、単頭双胴竜形文の浮き彫りが特徴的です。商(殷)代の人々の精神的信仰を示す重要な物的証拠で…」。ガラスケースを囲んだ来場者らが解説員の語る中国の竜文化に耳を傾けていた。

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14日、北京市西城区の什刹海荷花市場に設置された巨大な竜灯「蛟竜出海」。(北京=新華社記者/鞠煥宗)

 北京民俗学会の高巍(こう・ぎ)会長によると、中国では古代から竜のイメージが存在し、各時代に姿は変化したものの「竜の末裔」とされる中国の人々による竜文化の伝承は変わることなく続いてきた。

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北京市通州区にある大運河竜灯文化博物館の展示。(2月6日撮影、北京=新華社記者/羅鑫)

 新石器時代紅山文化の素朴な玉竜、精緻な文様が施された戦国時代の竜虎文双耳盤、美しく精巧な唐代の双竜耳瓶…。北京市の中国国家博物館で開催中の「竜肇新元-甲辰竜年新春文化展」は、同館が所蔵する200点(組)余りの文化財を通じ、節句の風習や礼法、歴史文化、芸術生活などの面から中華民族のトーテム、象徴である「竜」を体系的に紹介している。

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14日、北京市通州区の運河文化広場で竜踊りを披露する同市無形文化遺産「通州運河竜灯」の伝承者、謝兆亮(しゃ・ちょうりょう)さん(手前左端)と竜灯演舞チーム。(北京=新華社配信)

 北京市の無形文化遺産「通州運河竜灯」の伝承者、謝兆亮(しゃ・ちょうりょう)さんと彼が所属する竜灯演舞チームは、今年の春節も休む暇なく、伝統衣装を着て通りや路地で2頭の竜を踊らせ、にぎやかなどらや太鼓の響きの中で村の人々に辰(たつ)年の祝福を送った。

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14日、北京市通州区の運河文化広場で竜踊りを披露する同市無形文化遺産「通州運河竜灯」の伝承者、謝兆亮(しゃ・ちょうりょう)さん(左端)と竜灯演舞チーム。(北京=新華社配信)

 謝さんは「史料によると通州運河の竜灯は200年近い歴史がある。われわれが春節に伝統的な文化行事を復活させることで、郷村の新年ムードを盛り上げ、多くの若者に昔ながらの芸を知ってもらうこともできる」と語った。

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14日、北京市通州区の運河文化広場で竜踊りを披露する同市無形文化遺産「通州運河竜灯」の伝承者、謝兆亮(しゃ・ちょうりょう)さん(前列左)と竜灯演舞チーム。(北京=新華社配信)

 中国各地では竜をテーマにした展覧会や園遊会が次々と開かれたほか、文化クリエーティブ製品も続々と登場し、文化・観光市場の回復に向けた力強い推進力となっている。北京市では、連休前半4日間に重点モニタリング対象となる174カ所の観光風景区(地区)を訪れた観光客が前年同時期比80.4%増の延べ960万1千人に上った。(記者/羅鑫、余俊傑、張驍)

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北京市通州区の大運河竜灯文化博物館に展示されている竜灯の年画(春節に家の中や門口に張る絵)。(2月6日撮影、北京=新華社記者/羅鑫)

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