京津冀協同イノベーションの急成長、北京大の報告で明らかに

京津冀協同イノベーションの急成長、北京大の報告で明らかに

「京津冀協同創新指数2023」を発表する北京大学首都発展研究院院長の李国平(り・こくへい)教授。(1月13日撮影、北京=新華社配信)

 【新華社北京2月20日】中国の北京市政府と北京大学が設立した研究機関、北京大学首都発展研究院はこのほど、2013~22年の10年間に京津冀地域が協同イノベーション分野で得た成果や進展について関連データをまとめた「京津冀(北京・天津・河北2市1省)協同イノベーション指数2023」リポートを発表した。リポートは協同イノベーションを、イノベーション力、科学研究協力、技術連携、イノベーションパフォーマンス、環境の5指標から詳細に分析し、10年間の協同イノベーション指数上昇率が年平均12.9%に上ったことを明らかにした。

 京津冀地域の総人口は1億人を超え、土地面積は21万6千平方キロにおよぶ。データによると、2市1省の22年の経済規模は10兆元(1元=約21円)を超えた。リポートでは京津冀地域内の省・市をまたぐ産業活動の活発化が浮き彫りになり、22年には企業が地域内の省や市をまたいで設立した支店や分公司が8.7%増の8200社に上ったことが分かった。

京津冀協同イノベーションの急成長、北京大の報告で明らかに

北京大学で開かれた同大学首都発展新年フォーラム(2024)・京津冀協同発展戦略実施10周年シンポジウムで、京津冀協同発展によって得られた成果や課題について議論する、同地区の専門家や学者。(1月13日撮影、北京=新華社配信)

 また、技術分野での京津冀地域内連携も日増しに頻繁になっている。13~22年の間に、地域内の技術取引件数と取引額は総じて増加傾向にあり、提携による特許件数が年平均6.6%のペースで増加。22年における地域のハイテク産業新製品売上高が域内総生産(GDP)に占める割合は19年から0.7ポイント上昇して5.0%となった。

 データによると、13~22年に3省・市協力で発表された論文の数は年平均19.9%のペースで増えたほか、京津冀地域の研究開発経費支出の対GDP比率も13年の3.2%から22年には4.3%にまで上昇し、同年の江蘇や浙江、広東3省を上回った。

京津冀協同イノベーションの急成長、北京大の報告で明らかに

北京大学で開かれた同大学首都発展新年フォーラム(2024)・京津冀協同発展戦略実施10周年シンポジウム。会場では同大学首都発展研究院による「京津冀協同創新指数2023」の発表が行われた。(1月13日撮影、北京=新華社配信)

 同研究院院長の李国平(り・こくへい)教授は「京津冀地域のイノベーション力指数はこの10年間、年平均15.1%のペースで上昇した。これは、地域が研究開発への投資を大幅に増やし、イノベーション力が大きく高まったことを表している」と述べた。

 地域内の鉄道営業距離は23年11月末時点で1万1295キロ、うち高速鉄道が2576キロとなっている。京津冀中核エリア1時間交通圏、および隣接都市間1.5時間交通圏がおおむね出来上がり、地域の世界的都市群化への取り組みを支えている。(記者/魏夢佳)

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