沖縄の貯水率、過去10年で最低へ 月末にも44%切る見込み 県が強い危機感

満水時より水位が下がった様子が分かる羽地ダムの取水塔=13日、名護市田井等

 少雨や晴れの日が続く県内で、29市町村の給水源となる沖縄本島11ダムの貯水率が、今月末にも過去10年で最低だった2018年6月14日の44.3%を切る見込みとなった。梅雨時期の前回よりも約3カ月半早い貯水率低下に、県企業局などは強い危機感を示し、節水強化を呼びかけている。

 11ダム貯水率は20日午前0時現在で46.8%。過去10年の最低値にわずか2.5ポイントまで迫っている。天気予報でもまとまった雨は期待できない。

 こうした状況を受け企業局は20日、渇水対策本部会議を開き、節水広報の強化に向けた対応を確認した。県や沖縄総合事務局で構成する沖縄渇水対策連絡協議会は26日以降に会合を開き、さらなる節水への協力を呼びかける見通し。有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)対策で停止中の比謝川からの取水再開も協議する。

 企業局の石新実企業技監は、現状のままでは制限給水も想定される非常に厳しい状況だと説明し、「ダム水を少しでも長く温存できるよう協力してほしい」と県民へ訴えた。(政経部・東江郁香)

県内11ダムの貯水率(20日午前0時現在)

© 株式会社沖縄タイムス社