卒業記念に「どこでもドア」 高校生が力作贈る 地元のリクエストに応える 沖縄・沖縄市

制作したどこでもドアを前に記念撮影する(右から)知念仁教諭、長嶺和季さん、仲眞紀子自治会長、新里誠也さん=8日、沖縄市泡瀬第三自治会(提供)

 【沖縄】美里工業高校機械科3年の新里誠也さん、長嶺和季さんと担任の知念仁(まさし)教諭は8日、沖縄市の泡瀬第三自治会に仲眞紀子自治会長を訪ね、制作した「どこでもドア」を寄贈した。自治会のイベントでお披露目され、子どもたちが何度も出入りするなど人気を博している。(翁長良勝通信員)

 昨年4月、知念教諭と生徒らが公民館を訪れ、「来年の卒業記念で作った物を寄贈する。必要な物は何ですか」と聞いた。仲眞会長は即座に「どこでもドアが欲しい」と返答した。

 どこでもドアは、藤子・F・不二雄氏の漫画「ドラえもん」に登場する秘密道具。生徒と知念教諭は仲眞会長の「ユーモアあふれるリクエストにびっくりし、感動した」と振り返る。

 生徒らはその後、設計図作成と素材選びに取りかかかり、このほどどこでもドアが完成した。支柱は7センチ四方の鉄製で高さ220センチ、幅110センチのピンク色。子どもたちがドアで指を痛めないよう、ドアクローザーの取り付け位置の調整とドアラッチ部品の取り付けが難しかったという。

 普段は公民館内に保管し、自治会のイベントの際には庭の芝生広場に設置する。11日に開かれた自治会の自主防災避難訓練では子どもたちが歓声を上げ、ドアを出入りした。

 知念教諭は「次回は2、3人同時に通ることができる作品を生徒らと話し合いたい」と構想を膨らませた。仲眞会長は「とてもうれしく感動し、自治会活動にも弾みがつく。生徒らの力作を大事にしたい」と感謝した。

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