米ミズーリ州カンザスシティーで14日に発生した銃撃事件で、検察は20日、男性2人を殺人罪で起訴した。
この銃撃事件は、アメリカンフットボールのプロリーグNFLの優勝パレードの開催中に発生。女性1人が死亡し、22人が負傷した。
警察は、男性2人の口論から銃撃が始まったと発表している。
起訴されたドミニク・ミラー被告とリンデル・メイズ被告は、共に銃弾を受けて負傷している。
この事件では、10代の若者2人が先週、銃関連の違反と逮捕に抵抗した罪で起訴されている。
ジャクソン郡のジーン・ピーターズ・ベイカー検事は20日の記者会見で、被告2人は第2級殺人、2件の武装犯罪行為、武器の不法使用の罪で起訴されたと説明。いさかいを起こし、拳銃を取り出したのはメイズ被告だと述べた。
当局によると、事件では複数の人が銃を取り出したという。これにはミラー被告も含まれており、死亡したリサ・ロペス・ガルヴァンさん(43)を撃ったのはミラー被告だと検察は考えている。
両被告の保釈金はそれぞれ100万ドル(約1億5000万円)。2人は負傷の治療のために病院に搬送され、現在も入院している。
ロペス・ガルヴァンさんの遺族は声明を発表し、2人の逮捕に感謝していると述べた。
「私たちの最愛のリサを取り戻すことはできないが、ジャクソン郡検察局とカンザスシティー警察がリサや他の被害者、この悲劇を目撃しなければならなかった人々、そしてカンザスシティーのコミュニティーのために正義を求めることを最優先したことは慰めになる」
「どこ見てるのか」と口論に
ピーターズ・ベイカー検事は混乱を避けるため、今回起訴された2人と、先週起訴された若者2人は別人だとあらためて説明。
「ミラー被告とメイズ被告は成人だ。すでにニュースメディアでかなり大々的に報道されている少年が2人いる。2人については、現時点では別の当局が担当している」
20日に公表された裁判文書によると、メイズ被告と、同被告に「どこを見ているのか」と問いただした4人の間で口論になり、事件につながったという。
捜査はなお続いている。ピーターズ・ベイカー検事は、さらなる訴追があるかもしれないと語った。
「我々はあの日の犯行について、すべての犯人に責任を負わせようとしいる。そのため、まだ一人一人については解明できていないが、これから解明していくつもりだ」
カンザスシティー警察によると、この事件で負傷した22人の年齢は8歳から47歳までと幅広い。
この銃撃事件は、最近アメリカ各地で起こったスポーツの祭典の場での事件の一つ。
昨年6月には、米プロバスケットボールNBAの「デンヴァー・ナゲッツ」の祝賀会で銃撃があり、10人が負傷した。
(英語記事 Super Bowl parade shooting: Two men charged with murder)