一方で一戸建てのデメリットも
国土交通省が2024年1月31日に公表した資料によると、2023年の年間の新設住宅着工戸数は81万9623戸で前年比4.6%減となり、3年ぶりの減少となりました。
利用関係別では、持家(注文住宅)が22万4352戸で前年比11.4%の減少に。分譲住宅は24万6299戸で、前年比3.6%の減少になっています。
尚、分譲住宅の内訳は、マンションが10万7879戸で前年比0.3%の減少、一戸建住宅が13万7286戸で前年比6.0%の減少です。
結果として2023年の新設住宅着工戸数は、持家、貸家、分譲住宅の全てが減少しています。
一方、2024年の新設住宅着工戸数はさまざまなメディアがほぼ2023年度並みになると予想していますが、持家(注文住宅)に関しては減少するという予想が多いようです。
ところで住宅を購入する際には、「自分にとってマンションと戸建てではどちらがあっている」のか迷っている方も少なくないのではないでしょうか。
マンションと戸建て住宅にはそれぞれにメリットとデメリットがあるので一概にどちらが良いとはいえません。
人によって判断が異なるのは当然でしょう。
しかしマイホームは何度も買い替えることができるわけではないので、後悔しないための判断材料として他の人の体験談を参考にするのもひとつの手段です。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
「マンションと比べて一戸建てで良かった」と思った方の体験談
本記事ではマンションと一戸建てで迷った結果、一戸建てを選んで良かったと思った方の体験談を紹介します。
- 【居住地】 鳥取県
- 【購入費用】 2200万円
- 【年代】 40歳代
早速見ていきましょう。
一戸建てで良かった点1:隣人の生活音が聞こえない
「一戸建てなので、マンションのように隣家との間の壁から隣人の生活音が聞こえることがないのが良かった」
近隣トラブルの原因に最もなりやすいのが音の問題です。
マンションは隣家や上下階からの足音やテレビの音といった生活音がどうしても聞こえやすいのに対して、一戸建ては独立して建っているのでそれらの音が近隣に聞こえにくいというメリットがあります。
一戸建てで良かった点2:自分が出す音を気にしないで気楽に過ごせる
「一戸建てなので、自分が出す音を気にしないで気楽に過ごすことができる」
一戸建ては、自分たちが出す音が隣家まで聞こえてしまうことはほとんどありません。
しかしマンションの場合は、子供が家の中を走り回ったり大声を出したりして近隣へ迷惑をかけてしまうことも、決して少なくありません。
また一戸建てはマンションのように音を気にしてペットを飼うことができないといったこともないので、比較的自由に生活することができます。
一戸建てで良かった点3:洗濯物が見られにくい
「一戸建てでは、洗濯物を干していてもマンションのように他の住民に見られることがないのが良かった」
プライバシーの確保という面でも、一戸建ての方が、住民同士が頻繁に顔を合わせるマンションよりも有利といえます。
またマンションで屋外に洗濯物を干すためにはベランダに干すしかないので、どうしても他の住民に見られてしまいがちです。
一戸建ての場合には、洗濯物が外部から見えにくいように庭に干し、植栽などで隠すことができます。
したがって女性や小さなお子様がいるご家庭では安心です。
一戸建てで良かった点4:自分好みの広い庭が作れた
「一戸建ては自分好みの広い庭を持つことができた」
一戸建ては広い庭を持つことも比較的容易なので、家庭菜園やガーデニングが趣味の人にとっては大きなメリットになります。
ほかにも庭に椅子やテーブルを置いてくつろぎの空間にしたり、庭でバーベキューや花火などを楽しんだりすることもでき、敷地に余裕があれば敷地内に車の駐車スペースを確保することもできます。
一戸建てで良かった点5:自分が住みたいと思える間取りにできる
「一戸建てでは、自分が本当に住みたいと思える間取りにすることができた」
注文住宅であれば、間取りや外観のデザイン、設備、床・壁・天井の仕上げに至るまで自分好みに決めることが可能です。
また建築後にも、家族構成やライフスタイルの変化に応じて増改築によって住まいの形を変えやすいのも、一戸建て住宅のメリットといえます。
マンションでもリフォーム・リノベーションは可能ですが、管理規約による工事内容の制限があり、増築によって床面積を増やすことはできません。
一戸建てのデメリットも
購入前にマンションと一戸建て住宅を比較して、最終的に一戸建てを選んだ方の良かったと思える点を紹介しましたが、もちろん一戸建てのデメリットも存在しています。
代表的なものにはマンションと比較して一般的に耐震性や断熱性・気密性といった住宅の基本性能が低いことや、耐用年数が短いことなどがあります。
さらにマンションであれば共用部分の定期的な清掃やメンテナンス、修繕等は管理会社が行なってくれますが、戸建ての場合には全てを所有者が行わなければなりません。
また外壁や屋根の定期的な修繕も必要になるので、マンションのように毎月一定の管理費や修繕積立金の支払いは不要とはいえ、自分で維持管理費を蓄えておくことが不可欠になります。
まとめにかえて
住まいに対する価値観は人によってさまざまです。
自分自身や一緒に住む家族のライフスタイルに合わせて、自分たちに合った住まいを選択することが大切です。
参考資料
- 国土交通省「2023年(1月~12月)の建築着工統計調査」