小さな果実サジー、農村振興支える一大産業に 中国黒竜江省牡丹江市

小さな果実サジー、農村振興支える一大産業に 中国黒竜江省牡丹江市

牡丹江市林口県でサジーの実を収穫する作業員。(2023年12月15日撮影、牡丹江=新華社配信/馮春濤)

 【新華社牡丹江2月22日】中国黒竜江省牡丹江市では毎年12月中旬ごろ、グミ科の植物サジー(沙棘)が収穫期を迎える。小さなサジーの果実は、生態系保護に効果を発揮すると同時に、地元経済の発展を後押しし、農村振興を支える重要な特色ある産業となっている。

 同市林口県はサジーの主要生産地の一つで、夏は高温多雨、冬は寒い時期が長く、冬の果実であるサジーの栽培に適した独特の気候的優位性を持つ。同時に、同県は傾斜地が比較的多く、サジーの栽培によって土壌流出を効果的に改善することができる。同県はここ数年、地域の特性を生かし、サジー産業の発展に力を入れており、約10万ムー(約6670ヘクタール)のサジー栽培拠点を整備している。

小さな果実サジー、農村振興支える一大産業に 中国黒竜江省牡丹江市

牡丹江市林口県でサジーの実を収穫する作業員。(2023年12月15日撮影、牡丹江=新華社配信/馮春濤)

 同県林業・草原局の宋祖斌(そう・そひん)副局長は、県内企業全体のサジーの買い上げ能力は8580トン、加工能力は3320トン、冷蔵保管能力は3千トンで、年間生産額は2億5千万元(1元=約21円)以上を実現可能だと説明した。

 サジーは甘酸っぱく栄養が豊富で、サジー果汁、サジー原液など各種サジー製品はここ数年、ますます多くの消費者に受け入れられている。牡丹江市が管轄する穆棱(ぼくりょう)市にある黒竜江中穆沙棘産業では現在、生産工場がフル稼働でサジー果汁などの製品を生産している。同社の張春霞(ちょう・しゅんか)董事長によると、同社はこのほど、韓国企業とサジー原料の加工に関する大口契約を締結したという。

小さな果実サジー、農村振興支える一大産業に 中国黒竜江省牡丹江市

牡丹江市林口県でサジーの実をふるい分ける作業員。(2023年12月15日撮影、牡丹江=新華社配信/馮春濤)

 同市農業農村局の楊国強(よう・こくきょう)局長は、同市の冬季収穫サジーが農産物の地理的表示(GI)登録と有機食品認証取得を相次いで実現し、品質マネジメントシステムに関する国際規格ISO9001、衛生管理に関するHACCP認証、EU、米国、日本の有機食品認証も取得したと紹介した。

 サジーは、食用や薬用として価値が高いだけでなく、観賞価値も比較的高い。林口県、穆棱市などは、サジー収穫祭、サジー写真コンテストなどのイベントを開催することで、農業と観光の融合を促進し、地域の観光業の発展をけん引している。(記者/劉赫垚)

小さな果実サジー、農村振興支える一大産業に 中国黒竜江省牡丹江市

17日、牡丹江市が管轄する穆棱市にあるサジー加工企業のサジー果汁生産ラインで働く作業員。(牡丹江=新華社配信/韦洪基)

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