少子化にスポーツの多様化 小学生サッカークラブのいま

三重・山前FCは1999年に足利市の三重小学校と山前小学校のチームが合併して誕生しました。クラブは創立から24年を迎えましたが時代の流れとともに顕著になってきた深刻な課題があります。

選手の減少です。現在、クラブに在籍している選手は25人、最も多かった2005年ころと比べて4分の1ほどになりました。また、コーチとして指導にあたる保護者やOBがいないという理由から、5年生と4年生は全員、別のチームに移籍していて現在は0人です。選手の減少は、三重・山前FCに限った話ではありません。

県のサッカー協会によりますと県内の小学生年代の選手の数は2024年1月の時点で4384人と1995年と比べて半数以下になっています。選手の減少にともないチームの数も減っています。Jリーグが開幕した翌年の1994年、県内の小学生年代のチームの数は最も多く427ありました。それからおよそ30年、2024年1月時点のチーム数は150と1994年の3割ほどになっています。

足利市サッカー協会の会長で三重・山前FCの高橋徹代表は、選手が減少している主な要因として少子化があげられるものの、スポーツの選択肢が増えたことにもあるといいます。

小学生のスポーツには保護者の理解も重要です。高橋代表は、遠征のための送り迎えなどを敬遠している保護者が多いとしたうえで、その負担感が子どもをサッカークラブに入団させるかを検討する際の一つの壁になっていると考えています。

高橋代表は、保護者の理解を得られるようなチームの体制づくりを進めながらも、選手の裾野を広げる取り組みにも乗り出しています。

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