中国雲南省でラン科植物の新種「盈江エビネ」発見

中国雲南省でラン科植物の新種「盈江エビネ」発見

盈江エビネ。(2023年8月12日撮影、昆明=新華社配信/苗江林)

 【新華社昆明2月23日】中国雲南省徳宏ダイ族チンポー族自治州にある銅壁関省級自然保護区管護局の職員と福建省福州市にある福建農林大学の専門家チームはこのほど、同自然保護区の植物資源調査中に、ナツエビネ(Calanthe puberula Lindl.)に非常によく似たエビネを発見した。形態学および分子系統学の比較研究により、同種はラン科エビネ属の新種と判明し、発見地にちなんで盈江エビネと名付けられた。関連の研究成果は国際的植物分類学誌「Phytotaxa」に掲載された。

中国雲南省でラン科植物の新種「盈江エビネ」発見

盈江エビネの花の解剖写真。(2023年8月12日撮影、昆明=新華社配信/翟俊文)

 盈江エビネはナツエビネに似ているが、唇弁の中部に楕円(だえん)形の黄色い斑点があり、蕊柱の根元近くに4本の紫色の脈があるほか、唇弁の側裂片の三角形は中裂片よりも明らかに小さく、側萼片は下向きに巻いているなどの違いがある。

 現在、盈江エビネは同自治州盈江(えいこう)県のみで分布が確認されており、標高1600~1800メートルにある森林内に生えている。

 エビネ属は中国に約60種あり、うち23種を固有種が占める。盈江エビネの発見は、研究者にエビネ属に関するより多くの情報を提供し、その進化の過程における適応性の特徴を明らかにするのに役立つ。(記者/孫敏)

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