【マイヒストリー】こうじ屋ウーマン 浅利妙峰さん⑧【大分県】 前向きに挑み続ける

浅利妙峰さん(中央)を囲む次男の良得さん夫婦(左)と三男の善然さん夫婦(右)=佐伯市船頭町の「糀屋本店」

 <70歳を超えた現在も精力的に活動。一方で世代交代を考える。糀屋本店を未来につないでいくには―>

 塩こうじブームで売り上げが伸びている時、「次は倍を目指そう」という道もありましたが、選ばなかった。手作りできなくなるからです。300年以上使っている室(むろ)での手仕事。それが糀屋本店のこうじ造りです。会社を大きくするのではなく、創業350年、400年も佐伯の地にあり続けることを考えました。

 糀屋の長い歴史の中で苦難もあったはずです。先人たちが乗り越えたから今がある。私が継いだ頃の経営は底なし沼でした。進むべき道が見えずつらかった。でも、もがき苦しんだから「塩糀」へと導かれたのだと思います。

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