JR九州、2024年3月ダイヤ改正で香椎線・鹿児島本線の「自動運転」いよいよ本格化 気になる詳細は

自動運転に使用される819系「DENCHA」(写真:ninochan555 / PIXTA)

JR九州は2024年3月16日のダイヤ改正を機に2つの「自動運転」を始めます。1つは香椎線で以前から行ってきた、GOA2.5の自動運転。もう1つは鹿児島本線での自動列車運転支援装置を用いた実証運転です。後者は運転士が乗務します。

香椎線 GOA2.5自動運転

香椎線では819系(DENCHA)を使用した自動運転を全線で行います。ただし全ての列車が自動運転に対応するわけではありません。対象列車は香椎線を運行する173本中31本にとどまります。

GOA2.5は「添乗員付き自動運転」のレベル。緊急停止操作や避難誘導を行えるよう、列車の前頭に運転士以外の係員が乗務します。

香椎線では2020年12月から運転士が乗務した状態の営業列車で自動運転の実証運転を行ってきました。自動運転開始の翌日、3月17日(日)には香椎駅で出発式も行われます。

鹿児島本線 自動列車運転支援装置 実証運転

鹿児島本線では2023年3月から昼間時間帯に走行試験を行ってきましたが、いよいよ営業列車でも自動列車運転支援装置の実証運転を始めます。

対象区間は鹿児島本線の折尾~二日市間(装置の対応区間は門司港~荒尾間 151.6km)、使用車両は香椎線と同じ819系(DENCHA)。対象列車は次の5本です。

◆香椎8:13発 博多8:27着
◆博多9:37発 折尾10:50着
◆折尾10:58発 二日市12:33着
◆二日市12:56発 折尾14:35着
◆折尾14:57発 博多16:09着

自動列車運転支援装置は駅出発から駅停止までの列車の加減速制御を自動化。ただし列車遅延時の回復運転や特定の箇所のみの注意運転などでは、運転士による臨機応変な手動介入が可能です。

特徴は地上設備の増設を原則不要としたこと。車上の本装置にデータベースを保有し、走行実績を記録。ログをもとに快適で経済的、そして定時性を兼ね備えた運転パターンを模索し、理想的な運転を実現します。

鹿児島本線での実証運転の期間は「導入まで」ですが、より具体的な言及として、JR九州は「2025年度末までに導入を目指す」としています。

© 株式会社エキスプレス