広瀬アリスが「完全無罪」でWOWOWドラマに初出演。これまでと違う役柄に「日々学びながら、とても充実している」

広瀬アリスが、WOWOWで7月放送・配信の「連続ドラマW 完全無罪」(日時未定、全5話)で主演を務めることが分かった。冤罪(えんざい)裁判に挑む主人公の弁護士役で、同局のドラマ初出演を果たす。

「連続ドラマW 完全無罪」は、大門剛明氏によるミステリー小説「完全無罪」(講談社文庫)を原作に、映画「星の子」「MOTHER マザー」(ともに2022年公開)などを手掛けてきた監督・大森立嗣氏が脚本と監督を務めるミステリードラマ。

広瀬が演じるのは、21年前の少⼥誘拐殺人事件の冤罪再審裁判の担当に抜てきされた期待の弁護士・松岡千紗。⾃らもその事件で監禁された被害者の1人であるという境遇を抱えながらも、⾃⾝をあやめたかもしれない容疑者と対峙(たいじ)する。再審裁判を中心に、真相究明への切実な探求心を持つ彼⼥にしかできない弁護を展開し、事件の真相に迫る。

⾃⾝を誘拐した真犯人を⾒つけ出すため、被害者でありながら依頼人の無実を信じて弁護をすることに悩み苦しみながら⾃らの過去と闘い、真実にたどり着き、悪夢を克服していく千紗。彼女が抱える葛藤の深さを全⾝全霊で表現する広瀬は、「お話をいただいた時、今までにやったことのない役柄、作品だったので、29歳の⾃分がこの作品をやれることを楽しみにしていました」と語り、⼤森作品に出演するにあたり「一連で撮っていかれるので、セリフ量はもちろん、専門⽤語もたくさんある中、緊張感とたくさんの刺激をいただき、日々学びながら、とても充実しています」と心境を明かす。

さらに、演じる千紗については「強さと弱さ両⽅を持っていて、心の奥底にある人間らしさが魅⼒だと思っています。今までにない広瀬アリスをお届けできるかと思いますので、楽しみにしていていただければと思います」とアピールしている。

大森監督は「この作品は分断を描いています。ある誘拐殺人事件の犯人は冤罪であるのか。絶対にやっていないという犯人とその弁護士、絶対にやっているという元刑事、そう願う被害者の両親。その断絶する二つの思いが相対します。そしてその先に何が⾒えるのか、可能なら微かに⾒える光を感じたい」と説明。

続けて、主演の広瀬に関して「⾃らが被害者である事件の犯人を冤罪であると信じる難しい役に挑んでいます。心を揺らし、傷つきながら前を向きます。私は彼⼥の演じる役に温かい⾎を流し込みたいと思っています」と話し、「この作品が今、世界とこの国で起きている、戦争、移⺠、ジェンダー、世代間、あるいは不寛容さなどのあらゆる分断に一筋の光を。そう願って今撮影に臨んでいます。完成を楽しみにしていてください」と多くの願いも込めている。

原作の大門氏は「『完全無罪』ドラマ化ありがとうございます。一報を聞いて書いた当時の記憶がよみがえりました。うどんを食べたり、⾞で⾛って時間を測ったり、⾹川弁に苦労したり…。あれからもう6年たつのかと」と映像化を喜ぶ。

さらに「先日、撮影現場にお邪魔させていただきました。私が頭で考え活字で表現したものが、多くの人によって現実に動き出すというのは、やはり感慨深いものがありますね。主人公・千紗は難しい役だと思いますが、広瀬アリスさんならうまく演じてくださると期待しています。WOWOWさんにはこれまでにも何度か映像作品を作っていただきました。今回もきっと面白い作品になると、一視聴者として楽しみにしております」と期待を込めている。

最⼤手法律事務所に所属する弁護士・千紗は、同事務所のシニアパートナー・真⼭健一から、21年前に⾹川県で起こった少⼥誘拐殺人「綾川事件」の冤罪再審裁判の担当に抜てきされる。「綾川事件」と同時期に、⽴件されていない少⼥誘拐事件がほかにも1件あり、千紗は被害者の1人だった。

10年ぶりに故郷・⾹川の地を踏み、地元の法律事務所の同僚・熊弘樹の⼒を借りながら、当時の事件について調べ直していく千紗。三つの事件は同一犯の可能性が高いとされ、⾃分を殺めようとしたかもしれない容疑者・平⼭聡史と向き合うことに。無実を主張する平⼭を⾃分は信じられるのか。弁護士としての職業倫理と、⾃らの過去とのはざまで葛藤する。

「綾川事件」の担当だった元県警刑事であり、今は被害者サポートセンターで働く有森義男もまた被害者遺族の池村敏恵に寄り添う時間の中、平⼭が真犯人だと信じて⽌まず、冤罪を主張する平⼭にさらなる疑念を抱く。そして、かつて相棒だった刑事・今井琢也と共に、千紗と再審請求審で対峙することになる。

冤罪裁判の⾏⽅、21年前の事件の真相とは? それぞれの強い想いと正義が交錯し、やがて1人の人間の衝動を突き動かす。その思いは誰を救うのか。

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