沖縄で迎えた「後生の正月」ジュウルクニチー(十六日祭) 各地で親族ら集い健康を願う

故郷の方角に向かって手を合わせる離島出身者の家族ら=25日、那覇市・三重城(金城健太撮影)

 グソー(後生)の正月といわれる旧暦1月16日の行事「ジュウルクニチー(十六日祭)」が25日、県内各地であった。親族らが墓の前に集まって料理や果物を供え、健康や一族の繁栄を願った。

 宮古島市の袖山墓地公園には昼前から家族連れが続々と訪れた。鏡原中学2年の池間裕哉さん(14)は「野球をしているので、けがをしないよう1年間見守ってください」、北小2年の上地陽菜さん(8)は「元気で幸せに暮らせますように」と手を合わせ、料理に舌鼓を打った。

 石垣市では根間トミさん(90)が「子や孫が集まり、先祖も喜んでくれている」とうれしそう。数年前に竹富町黒島から石垣へ墓を移したという當山令子さん(68)は「今年は日曜なのでたくさん集まって良かった」と話した。

 那覇市西の三重城には、宮古島や石垣島などの出身者らがお供え物を手に訪れ、ウチカビを燃やして故郷の島の方角へ手を合わせた。子や孫ら10人で来た宮古島出身の70代女性は「家族がそろういい機会。見守っていてくださいねと祖先にお祈りした」と笑顔を見せた。

 (宮古支局・當山学、八重山支局・平良孝陽、写真部・金城健太)

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