「知ってれば産まなかった…」遺伝性の病気が判明、そこで毒母に言われた言葉を何十年経っても忘れられない女性

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親の言動が子どもに与える影響は大きい。それが、暴言や理不尽な内容であれば、一生、心に傷を負わせかねないだろう。

愛知県の40代前半の女性(医療・福祉・介護/年収600万円)は、「今で言う毒親なのだとは思います」と前置きし、続けた。

「父は気に入らないと物を投げる、きれると何を言っても怒鳴る、という人でした」

しかし、物を投げる父親以上に女性がやばいと感じているのは、「そういう人でも離婚しない母親の発言」だった。(文:長田コウ)

「お前の下に一人いたけど、目の病気が遺伝するから堕したの」

始まりは、女性が3歳のときに遡る。女性に「遺伝性の目の病気が判明」した。「手術で治るレベルのもの」だが「父からの遺伝」だったそう。父親は、自身に遺伝性の病気があることを告げずに結婚したのだった。その事実を知った母親は泣き崩れ、女性にこう言った。

「結婚前に知ってれば結婚しなかったのに、産まなかったのに」

この母親の言葉に、女性は「私は生まれてきてはいけなかったのか」と子ども心に思ったそう。12歳のときにも、この目の病気をめぐって、母親からひどい言葉が投げかけられた。

「本当はお前の下に一人いたけど、目の病気が遺伝するから堕したの」

この衝撃的な告白に対し、女性は「子どもに言うべきセリフではない」と当時の思いを吐露した。また、女性が「父から理不尽に怒られて泣いていた」ときにも、母親は手を差し伸べるわけでもなく、心無い一言を放ったのだ。

「お前の方が大人だから、大人なお前が我慢しなさい」

このとき女性は、まだ5歳だったというから衝撃だ。捉えようによっては、父親の面子も潰すような発言だろう。

「お父さんとお母さん、離婚したら嫌?」と母が聞いてきたのも、女性が4歳のときだった。女性は、当然ながら素直に「嫌」と答えたのだが、その答えがきっかけだ、後々悪者扱いされることになってしまったと回想する。

「私が嫌がったから離婚しなかった云々、中高生のときに複数回言われました。でも『お母さんだけでは暮らしていけないから』と付け加えたので、離婚できないのを人のせいにしないでほしいと思いました」

結婚したのも、「おばあちゃんが、『もう結婚してしまえ』と言ったから」

母親が人のせいにするエピソードはほかにもあるようだ。母親曰く、父親は結婚前に「今で言うストーカー並みに母に言い寄っていた」。そんな父親と結婚したのは、母親が28歳のときで立派な大人だが、

「おばあちゃん(祖母)が、『もう結婚してしまえ』と言ったから結婚した。おばあちゃんのせいだ」

と女性に言ったそう。このような両親のもとで育った女性は、

「人のせいにしてはいかんです。父が投げたもののせいで火傷や打撲をしたり、母の言葉にモヤモヤしながらも、まあまあ立派に育って、結婚しなくても生計をたてられるようになった自分は、かなり立派だと思います」

と結んだ。女性には、これ以上の苦労がない人生を送ってほしい。

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