中国商務部、WTO協定順守に関する米報告書に反論

中国商務部、WTO協定順守に関する米報告書に反論

中国商務部。(資料写真、北京=新華社記者/李賀)

 【新華社北京2月26日】中国商務部世界貿易機関(WTO)司の責任者は26日、米通商代表部(USTR)がこのほど発表した2023年版の「中国によるWTO協定順守に関する報告書」に対し「中国は報告書の事実に反する非難に留意している」と表明し、次のように述べた。

 米国は、中国がWTOに約束した事柄を履行する中で上げた大きな成果を無視し、中国の社会主義市場経済建設と改革開放の著しい成果を歪曲(わいきょく)し、中国が多国間貿易体制と世界経済の発展に果たした重要な貢献を否定している。まったく根拠のない独断的な基準により中国の経済貿易政策を非難し、中国の正当な貿易措置を「経済的威圧」と呼び、事実を歪曲している。米国の封じ込めと抑圧を受けて中国が取った対抗措置に「自発的なデカップリング」のレッテルを張り、中国が「生産能力の過剰」を生み出したと中傷している。(これらは)米国の一国主義といじめ行為を十分に反映しており、中国は断固反対する。

 中国はWTO加盟以降、最大の発展途上メンバーとして、常に多国間貿易体制を揺るぎなく支持し、真の多国間主義を実践し、WTOに対する約束を確実に果たしてきた。国情を踏まえて社会主義市場経済体制と法律体系を絶えず整備し、高いレベルの制度型開放を拡大し、WTOの改革に全面的かつ深く参加し、その他の発展途上メンバー、特に後発開発途上国が多国間貿易体制に溶け込むのを積極的に手助けしてきた。中国はこの1年、発展途上大国の中で最初に(WTOの)漁業補助金協定を批准し、投資円滑化協定の条文交渉をリードして完了させ、WTOによる一部のデジタル貿易ルール交渉の実質的妥結を後押しした。(中国が果たした)積極的、建設的役割は各方面から高い称賛を受け、WTOとグローバル経済貿易の発展に対する貢献は誰の目にも明らかである。

 米国はここ数年、「アメリカ・ファースト」を掲げてWTOルールに背き、一方的な貿易上のいじめを行い、差別的な産業政策を定め、世界の産業チェーン・サプライチェーンをかき乱した。国際貿易秩序に深刻な影響を与え、WTOメンバーの共通利益を損なった。中国とその他のメンバーは既に何度も懸念を表明している。WTOの紛争解決機関が米国の関連措置をWTOルール違反とした状況下で、米国はWTO裁定を拒否するだけでなく、WTOの上訴機関を「マヒ状態」に陥らせ、多国間貿易体制に重大な破壊をもたらした。米国は自身の行為を反省、是正せず、逆に他国を中傷し、責任を転嫁する方法で自身のルール違反と破壊行為を覆い隠し、言い逃れをしているが、これは極めて無責任である。われわれは米国に対し、誤った言動を速やかに是正し、WTOのルールと自身の約束を確実に順守し、WTOを核心とし、ルールを基礎とする多国間貿易体制を、中国を含むその他のメンバーと共に守り、世界規模の問題と課題への対応に向けてしかるべき役割を確実に果たすよう改めて呼びかける。

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