「中国の野菜の里」が育てる「温室設計師」 山東省

「中国の野菜の里」が育てる「温室設計師」 山東省

23日、寿光市の華耕農業科技が設計・施工した温室。(寿光=新華社記者/葉婧)

 【新華社済南2月27日】「中国の野菜の里」と呼ばれる山東省寿光市にある温室メーカー山東利森特農業科技の工場では現在、プレハブ式温室用の組立資材の生産に追われている。今回受注したのは13万平方メートルに及ぶ連棟ハウス用の組立資材。納期は今月末となっており、納品後は中央アジアに送られる。

 同社には温室の設計を専門とする設計士が3人いるが、膨大な需要に応えきれず、やむを得ず王守波(おう・しゅは)董事長自ら「首席設計士」を担当している。王氏によると、温室設計という仕事の需要は全て寿光市の野菜産業の発展に後押しされたものだという。

 アニメのデザインや庭の設計を手がけてきた桑平坤(そう・へいこん)さん(37)は現在、市内にある農業技術開発会社、華耕農業科技の「温室設計師」として働いている。当初は同級生や友人たちが新しく建設する温室の設計や図面作成を引き受けていたが、その後、温室の設計に大きな潜在需要があると感じ、仕事の傍ら勉強を続け、今ではこれを本業としている。

「中国の野菜の里」が育てる「温室設計師」 山東省

19日、山東利森特農業科技の倉庫内に積み上げられた加工済みのプレハブ式温室用資材。(寿光=新華社記者/葉婧)

 華耕農業科技の張東昇(ちょう・とうしょう)総経理によると、桑さんらプロの設計士が加わったことで、寿光市らしさのある「冬でも暖かい温室」の最適化・高度化が促進され、今後のスマート農業の発展にもつながる可能性があるという。

 同市公共就業・人的資源サービスセンターの職業技能鑑定科の李飛(り・ひ)科長は「市場には温室設計士に対する需要があり、関連のポストがある企業も多い。われわれも温室の設計・施工業界の人材チームの拡充に力を入れている」と語る。同市は2011年に「温室の設計」という専門職能力を打ち出し、中国人力資源・社会保障部に届け出た。現在、同市には有資格者が656人いるという。(記者/葉婧)

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