昨今問題になっている「地球温暖化」は太陽のせいなのか?【図解プレミアム 宇宙の話】

最大の原因は人間がつくり出した温室効果ガス

太陽は、太古の昔から地球を温めてきました。しかも、誕生から46億年を経た現在、太陽の明るさは誕生当時に比べて30パーセント増しになっていて、当然、エネルギーも増加しています。太陽から降り注ぐエネルギーの増減が、地球の平均気温を変化させる可能性は十分にあります。

太陽の黒点の増減は、地球の気候と関わりがあることがわかっています。160年間の太陽黒点数と地球の平均気温の変化を見てみると、19世紀後半から20世紀前半にかけては、黒点数が多いときは平均気温も上昇しており、両者の相関が高いように思われます。しかし、地球の平均気温を変化させる要因は、太陽エネルギーの変化だけではありません。

一時期、フロンガスによるオゾン層の破壊によって太陽光が地上をより強く照らすようになり、それが地球温暖化をもたらしている、といわれていました。成層圏にあるオゾン層は太陽からの紫外線を吸収して、地球上の生物を守るバリアのはたらきをしています。

たしかに、フロンガスによってオゾン層が破壊されると、太陽光はほんの少しだけ地上を強く照らすようになります。しかし、太陽エネルギーの増加を見ると0・01パーセント程度です。したがって、オゾン層の破壊が直接地球温暖化につながっているとはいえないのです。それよりも、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスが大気中に増加することのほうが、気温の上昇に大きく影響しているのです。いま現在、これが地球温暖化の最大の原因とされています。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話』

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話』
監修:渡部潤一

「地球はどうやってできたの? 宇宙のどこにあるの? 」「太陽が巨大化するってホント?」「月のクレーターや『月の海』って?」「 宇宙はどんな構造?いくつもあるの? 」など素朴なギモンに即答で宇宙のナゾに迫る! ——地球の生い立ちから、お隣の天体・月の謎、太陽と惑星の素顔、恒星と銀河、宇宙論まで、最新の天文学、宇宙物理学、惑星科学に踏まえてやさしく解説。豊富なイラスト、61テーマと興味深い宇宙・星座コラムで、夢とロマンに満ちた、いちばん新しい宇宙の姿がよくわかります。太陽系のナゾから最新の宇宙理論まで、宇宙のフシギをズバリ解明します!

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