「不可能な戦術を採用している」フルアム戦敗北のユナイテッド…テン・ハグ監督の手腕に疑問の声「彼らの哲学は何だ?」

エリク・テン・ハグ監督の戦術には疑問の声も…[写真:Getty Images]

元イングランド代表DFのジェイミー・キャラガー氏が、マンチェスター・ユナイテッドの戦術の問題点を指摘した。

今シーズン、2シーズン目を迎えたエリク・テン・ハグ監督の下で波の激しい成績となっているユナイテッド。プレミアリーグ開幕から低調な出来が続いたが、第22節からは4連勝を飾り復調したかに見えた。

しかし、好調の原動力となっていたFWラスムス・ホイルンドが負傷離脱すると、第26節のフルアム戦はホームゲームでありながら1-2で敗北。トップ4争いから一歩後退の6位に甘んじており、テン・ハグ監督への批判も強まっている。

イギリス『スカイ・スポーツ』に出演したキャラガー氏も、テン・ハグ監督の戦術には欠陥があると主張。フルアム戦のプレーを例として、いくつかの問題点を指摘している。

「ここ数週間、マンチェスター・ユナイテッドは絶好調に見えたが、それでも基礎的な数字は非常に悪いものだった。彼らはとても幸運だったのだ。だから、フルアムに負けたからこれを話すわけではない」

「重要なのはパフォーマンスだ。彼らはこれまでどのチームもやらなかった守備をしようとしている。つまり、深い位置でブロックを敷きながら、前線からのハイプレスを好むという戦い方だ」

「それは不可能な戦術だと思う。彼らは同時に2つのことをしたがっているが、これはどちらか一方しか実行できないものだ。どのチームも全体としてハイプレスをするか、全体として深い位置で守るかを選ぶ。だが、彼らは両方をやろうとしている」

「(フルアム戦の)キックオフ直後の問題点を指摘したい。ここではコビー・メイヌーにスポットを当てるが、彼に対する批判ではなく試合前の彼にどのような指示がされているかが問題だろう」

「彼は相手の両ボランチを見るか、10番を見るかで迷っていた。板挟みのような状態になっていたんだ。キックオフ直後にも関わらずね。キックオフから自分の仕事が理解できていないなら、それはコーチングスタッフの問題だ」

「もう一つの大きな問題は、ボールを持ったときだ。マンチェスター・ユナイテッドにはプレーのパターンがないという人もいる。彼らの哲学は何だろう? ラファエル・ヴァランがボールを持った時、右サイドバックはパスを受け取る位置におらず、メイヌーは最終ラインにいる。それが正しいポジションとは思わない。そしてブルーノ・フェルナンデスはストライカーのような位置でプレーしている」

「間違ったポジションをとる選手が多く、彼らはカウンター時にスプリントで戻らなければならない。ダロト、メイヌー、ブルーノ・フェルナンデス、リンデロフらは、試合中に30ヤード、40ヤード、50ヤードの距離を5、6回スプリントしているんだ。だから試合中のケガも多い」

「フルアム戦の2失点目を見れば、ハリー・マグワイアとクリスチャン・エリクセンはもう走れず、マーカス・ラッシュフォードは走らない。それは彼らにとって大きな問題だろう」

© 株式会社シーソーゲーム