今も走り続けるTRF【武道館ライブレポート】日本のダンスミュージックの礎から30年!  TRFの30周年ライブ、「past and future.」渾身のレポート!

日本を代表するダンスボーカルユニットTRF、30周年の武道館公演

去る2月18日、TRFの30周年ライブ、TRF 30th Anniversary Live at 日本武道館 「past and future.」が行われた。

1993年、小室哲哉のプロデュースの元、ボーカル、ダンサー&DJという全く新しいスタイルのユニットとして誕生。今までダンスグループやロックバンドは数多くいたが、その編成は見たことのないスタイルであり、次々とヒット曲を放って今日のダンスシーンの礎となった。

当時まだまだマイナーだったクラブシーンは、彼らの登場をきっかけに一気にメジャーに駆け上がった。まさに日本のダンスシーンはTRFから始まったと言っても良い。30年たった現在も日本を代表するダンスボーカルユニットのレジェンドである。

私が最初に彼らを観たのは93年年末、第26回日本有線大賞で披露された「EZ DO DANCE」だった。今までのポップスや歌謡曲とは違うダンスナンバーは、新しい時代の到来を予感したものである。この有線大賞で新人賞を受賞。彼らの快進撃がここから始まった。

ステージはオペラ劇場のようなゴージャスな世界

あれから30年、武道館は上から隅までギッチリの超満員。客層は40代から50代を中心に老若男女あらゆる世代にわたっている。赤と黒のステージは、オペラ劇場のようなゴージャスな世界。オープニングは「PUSH YOUR BACK」。DJ KOO、SAM、CHIHARU、ETSU、そしてYU-KI、さらに20人以上のダンサーが登場。

1曲目からアクセル全開、観客も総立ちの大盛り上がり。さらに「masquerade」「Overnight Sensation 〜時代はあなたに委ねてる〜」と、ヒット曲のオンパレード。「Overnight Sensation」は、95年、第37回日本レコード大賞で大賞を受賞したビッグヒット。前年「survival dAnce 〜no no cry more〜」で大賞候補と言われながら受賞を逸しただけに満を持しての受賞だった。デビューからわずか2年で大賞に輝いた、彼らの猛チャージと快進撃はすさまじいものだった。

30年の時の流れを感じることができた「寒い夜だから」

5曲目の「BILLIONAIRE」でYU-KI、SAM、DJ KOOの3人でラップ&ボーカルを繰り広げ、幅の広さとスケールの大きさを見せてくれた。次の「寒い夜だから」では、スクリーンに当時のPVが流れ、30年の時の流れを感じることができた。途中ステージ上に階段のセットが現れ、30年前のPVと同じ画像が再現されるという素敵な演出。

「ShowTime(4 Executive Seats)」では女性陣の衣装も白い世界に。会場全員が手振りで盛り上がり、ステージと客席が1つに。「FUNKY M」ではDJ KOOも前に出てきて一緒に踊り、SAMとDJ KOOがボーカル、キッズダンサーも登場し、ファミリー感あふれる暖かさに包まれた。

そして、ドレスにチェンジしたYU-KIがしっとりとソロでバラードを熱唱。ふだんのダンスナンバーでは見せない、大人のボーカリストとして見事な歌唱をたっぷりと聞かせてくれた。続くはダンサー3人によるダンスパート。2枚のスクリーンを使って、SAM、ETSU、CHIHARUが、映像とリアルで1つの世界を作りだし会場を大いに沸かせた。DJ KOOによるDJショーで武道館が “クラブ” に変わると、カラフル衣装の5人が再登場。ダンスメドレーから「CRAZY GONNA CRAZY」のこれでもか攻撃。

そしてここで新曲「TRy the Future」を初披露。TRFらしいPOPなダンスナンバーで重低音が響き渡る。30年経って今だ現役、今だ全開で走り続ける5人がメチャかっこいい。さらに「EZ DO DANCE」、30年経って円熟味と安定感を増し、当時とはまた違う、さらにパワーアップしたパフォーマンスを見せてくれた。

30年経ってもまだまだ現役、未来へ向かって走り続けるTRF

アンコールは、TKこと小室哲哉のメッセージに続いて、デビュー曲「GOING 2 DANCE」からおなじみ「BOY MEETS GIRL」「survival dAnce 〜no no cry more〜」へ怒涛の展開。会場全員が踊って大合唱。武道館がクラブフロアになっている錯覚に陥った。

ステージは「WORLD GROOVE」で終了。3時間近い最高のコンサートだった。一緒に踊り、歌い、盛り上がり、歌もダンスもDJもトークも満喫できた至福の3時間、最高のエンターテインメントだった。30年間のPASTからこれからのFUTUREへ。30年経ってもまだまだ現役、新曲も出し続けて未来へ向かって走り続ける、そんな5人の姿に感動し、これからも見続けていきたいと思っている。

TRF / 2024.3.20 デビュー30周年記念BOX 「past and future」

カタリベ: 齋藤薫

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