中国・青海湖の生態系、保護強化で大きく改善

中国・青海湖の生態系、保護強化で大きく改善

 青海湖鳥島湿地に集まる水鳥。(資料写真、西寧=新華社配信/星智)

 【新華社西寧2月28日】中国青蔵高原北東部に位置し、中国最大の内陸湖である青海湖の流域は、同高原北東部の生態系の安全や、中国西北地域の大環境生態系バランスを保つ上で重要な水域とされている。現地政府はここ数年、同湖の生物多様性保護を強化し、流域の生態系は改善を続けてきた。

 データによると、同湖の水位はここ15年近くで徐々に上昇、水域面積も拡大し、1960年代の水準まで回復している。2020年時点の水位は04年比3.65メートル高い3196.62メートル、水域面積は344.31平方キロ広い4588.81平方キロだった。

 国際的な渡り鳥の移動ルート上にある同湖は、渡り鳥の種と個体の数が中国で最も多い繁殖地となっている。現在生息する鳥類は288種、水鳥の個体数は60万6千羽に達している。同地で毎年繁殖するインドガン、チャガシラカモメ、オオズグロカモメ、カワウの個体数は、世界の繁殖個体数の3割に上る。

中国・青海湖の生態系、保護強化で大きく改善

青海湖の風景を楽しむ観光客。(2023年11月23日撮影、西寧=新華社記者/耿輝凰)

 同湖固有の魚種「青海湖湟魚(こうぎょ)」の資源量はかつて乱獲によって激減したが、持続的な保護活動を通じ、20年には02年の39倍近くに増えた。現在では12万トンまで回復している。

 青海湖国家級自然保護区管理局の何玉邦(か・ぎょくほう)局長は、同湖の水域生態環境改善におけるここ数年の重要な成果の一つが「魚と鳥の共生」だと指摘する。「『水-鳥-魚』という流域の生態系連鎖の安全を維持することがとても重要だ」と語る。

 このほど閉幕した同省の両会(人民代表大会と政治協商会議)では、呉暁軍(ご・ぎょうぐん)省長が、同省は生態文明建設に向けた総合計画を実施し、「国家公園モデル省」の強化と向上のための行動を展開してきたと指摘。三江源国家公園総合計画を発表、祁連(きれん)山国家公園がまもなく開園するほか、青海湖国家公園の創設作業は全て完了したとし、自然保護地制度標準体系づくりにも率先して取り組み、国立公園建設で引き続き全国の先頭を走っていると述べた。(記者/李琳海)

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