文化財の中の竜 甘粛省博物館の春節特別展

文化財の中の竜 甘粛省博物館の春節特別展

26日、甘粛省博物館「竜行中華・甲辰竜年干支文物合同展」で、来場者に鯢魚文彩陶瓶(げいぎょもんさいとうへい、新石器時代)を説明する解説員(奥)。(蘭州=新華社記者/梁軍)

 【新華社蘭州2月28日】中国甘粛省蘭州市の甘粛省博物館では今年の春節(旧正月)期間、干支(えと)の竜をテーマにした特別展「竜行中華・甲辰竜年干支文物合同展」が人気を集めた。竜は時空を超え、自在に姿を変えながら彩陶罐(さいとうかん)や玉の装飾品、磁器などのモチーフとなり、中国の竜文化が持つ歴史の活力と精神性を示してきた。

 同展では、全国の主要博物館から祥竜を題材にした文化財や美術品の映像490点を集めたほか、同館が所蔵する竜に関する代表的な文化財20点余りを展示。来場者が文化財の中の竜を身近に鑑賞し、伝統文化の魅力を感じられるようにした。

文化財の中の竜 甘粛省博物館の春節特別展

甘粛省博物館「竜行中華・甲辰竜年干支文物合同展」で展示された翼獣形提梁盉(よくじゅうけいていりょうか、春秋戦国時代)。取っ手付きの酒器で、腹部の両側に振り返る双翼の飛竜が描かれている。体にはうろこ文様が施され、5枚の羽を高く上げている。(資料写真、蘭州=新華社配信)

 展示ホールでは、一対の小さくかわいらしい金竜が来場者の注目を集めた。「累絲金竜」と呼ばれる明代の文化財で、細い金線を使い、線条細工や細線細工などの技法で編み装飾を施している。

 彩陶の展示ホールでは、長く湾曲した鯢魚文(げいぎょもん)の彩陶罐が人々の目を引いた。専門家によると、描かれた鯢魚文は人面と蛇体、双爪の足からなり、蛇に酷似している。中国神話に「人頭蛇身」の姿で登場する伝説の神・帝王の伏羲(ふくぎ)のイメージと一致することから、竜の原型と考えられている。

文化財の中の竜 甘粛省博物館の春節特別展

26日、甘粛省博物館「竜行中華・甲辰竜年干支文物合同展」で展示された累絲金竜(るいしきんりゅう、明代)。(蘭州=新華社記者/梁軍)

 甘粛省博物館研究部の茹実(じょ・じつ)副主任によると、竜は新石器時代以降のほぼ全ての考古学的文化類型の図像や器物に用いられており、中国最古の竜の像は約8千年前の紅山文化までさかのぼることができる。原始的信仰の色彩を帯びて歴史に痕跡を残した竜は、時代の変遷とともに中華民族を結束させる精神的トーテムとなった。(記者/梁軍、何問)

文化財の中の竜 甘粛省博物館の春節特別展

26日、甘粛省博物館「竜行中華・甲辰竜年干支文物合同展」で展示された竜首玉帯鈎(ぎょくたいこう、後漢時代、甘粛省武威市雷台漢墓出土)。(資料写真、蘭州=新華社配信)

文化財の中の竜 甘粛省博物館の春節特別展

26日、甘粛省博物館「竜行中華・甲辰竜年干支文物合同展」で展示された鯢魚文彩陶瓶(げいぎょもんさいとうへい、新石器時代)に施された竜の原型とみられる図案。(蘭州=新華社記者/梁軍)

文化財の中の竜 甘粛省博物館の春節特別展

26日、甘粛省博物館「竜行中華・甲辰竜年干支文物合同展」で展示された青銅竜虎闘牌飾(せいどうりゅうことうはいしょく)。(蘭州=新華社記者/梁軍)

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