仏映画スター、アラン・ドロン氏の自宅から銃器72丁押収 「所持許可なし」と検察

フランスの警察は、映画界のレジェンド、アラン・ドロン氏(88)の自宅から銃器72丁と3000発超の弾薬を押収した。検察当局が27日、明らかにした。

首都パリの南約135キロに位置するドゥシー・モンコルボンにあるドロン氏の自宅では、射撃場も見つかった。

検察当局によると、ドロン氏は銃所持の許可を得ていなかった。

ドロン氏はフランス映画の黄金期のスター俳優で、「サムライ」(1967年)や「ボルサリーノ」(1970年)などのヒット作で演じた「タフガイ」ぶりで知られる。

27日の捜索は、裁判所が任命した職員がドロン氏の自宅に派遣された際に武器があることに気づいて判事に通報したことを受け、命じられたもの。

ドロン氏は2019年に脳卒中を起こし、近年は体調が思わしくない。別の深刻な病状にも見舞われているとされるが、仏メディアは病名を明らかにしていない。

また、ドロン氏の家庭が崩壊しているとの話もフランスで大きく取り上げられている。

ドロン氏の3人の子供は互いを告訴し合うなどしており、メディアでも不満を述べている。

最近ではドロン氏の治療をめぐる法廷闘争が起きている。裁判所が承認した医師は先月、ドロン氏の健康状態を評価するため診察を行ったが、その診断結果を子供たちが即座に否定した。

ドロン氏をめぐる懸念が最初に浮上したのは、子供たちが昨年、同氏の住み込みアシスタント、ヒロミ・ロラン氏を告訴したのがきっかけ。

子供たちは、日本人の映画制作アシスタントのロラン氏が、ドロン氏に対して「モラル・ハラスメント」を行なったと主張している。ロラン氏の弁護士は当時、すべての主張を否定した。

ドロン氏が公の場に姿を見せたのは、2019年5月のカンヌ国際映画祭で名誉パルムドールを受賞したのが最後となっている。

同年9月にはパリで、スター俳優仲間で友人のジャン=ポール・ベルモンド氏の葬儀に参列した。

(英語記事 Alain Delon: Police seize 72 guns from French film star's home

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