今年は閏年!今日知るべき「うるう年」がないと困る理由とは?【図解プレミアム 宇宙の話】

大の月、小の月、閏年

月の満ち欠けを基本としてつくられた太陰暦では月の周期29.5日に合わせるため、日数が29日の「小の月」と、30日の「大の月」を交互にくり返し月の満ち欠けと日付をほぼ一致させていました。けれども、月の周期だけでつくった暦だけでは、季節の周期と「年」とのずれが起きてしまいます。なぜなら1年は365日ありますが、これは地球の公転周期。月の公転周期とは関係がありません。

そのため、太陰暦の月を12回くり返しても29.5×12=354日しかなく、毎年、11日ずつずれていってしまうのです。3年で1カ月くらいずれてしまうと季節とのずれが生じてしまいます。1年中同じような季節の中東の砂漠地方では暦と季節がずれていてもあまり問題がなくても、日本のように農耕主体の国では、田植えの時期を暦と11日ずらさないとならないなど、季節と暦とが合わないと不便です。

そこで、古代中国ではそのずれを補正するために2、3年に1度(19年に7度)、「閏うるう月」を加え1年に13カ月ある「閏年」をもうけた太陰太陽暦をつくりました。これが日本にも伝わりました。太陰太陽暦では、毎年大小の月の並びや閏月が異なりました。月末払いの掛け売りが主だった江戸時代は、月末がいつかを知ることはとても重要だったため、絵や文章で大の月、小の月の並び方がわかるようにつくった「大小暦」が大流行となりました。このようにして、暦は人々の暮らしのなかに浸透していったのです。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話』

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話』
監修:渡部潤一

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