【2024年シーズン展望~ナ・リーグ西地区~】磐石の体制を整えたドジャースが新たな歴史の幕を開ける

黄金期を迎えているドジャースがオフシーズンにさらなる補強に成功した。大谷翔平、山本由伸が加わった最強軍団はどのように歴史的なシーズンを送るのだろうか。昨季ワイルドカードからリーグ優勝を飾ったダイヤモンドバックスを筆頭に、ほかのチームも見逃すことはできない。

2013年から11年連続でポストシーズン(PS)に進出しているナ・リーグ西地区の王者・ドジャースの勢いが止まらない。昨季MVPを受賞した大谷翔平、日本で3年連続MVPを受賞している山本由伸も獲得するなど、歴史に残る最強軍団が誕生した。

2月29日時点で、データサイト「ベースボール・プロスペクタス」の成績予想システムである「PECOTA」による今季の順位予想はこちら。

1 ドジャース(101.1勝60.9敗/勝率.624/プレーオフ進出確率99.6%)
2 ダイヤモンドバックス(85.2勝76.8敗/勝率.526/60.4%)
3 ジャイアンツ(81.9勝80.1敗/勝率.506/38.4%)
4 パドレス(80.0勝82.0敗/勝率.494/26.6%)
5 ロッキーズ(57.3勝104.7敗/勝率.354/0.0%)

3年連続100勝以上を挙げているドジャースは、今季も100勝以上が予想され、PS進出確率はなんと驚異の99.6%。その強さを象徴するのが、1981年のフィリーズ以来となる1~3番打者がMVP受賞者という豪華打線だ。

1番は2018年にMVPを受賞したムーキー・ベッツ、2番は昨季自身2度目のMVPを受賞した大谷翔平、そして3番には2020年MVP受賞のフレディ・フリーマンと、最強の布陣が並ぶ。

投手陣は山本由伸を軸に、レイズからトレードで獲得した2023年10勝のタイラー・グラスノー、レッドソックスからFAとなっていた2017年から3年連続2ケタ勝利のジェームス・パクストンが加入。ローテーションはほぼ完成しているが、2021年に16勝を挙げたウォーカー・ビューラーは2度目のトミー・ジョン手術から復帰する予定であり、FAとなるもドジャースと再契約したサイ・ヤング賞3度、MVP1度受賞のエース、クレイトン・カーショウも夏頃には怪我から復帰するとみられている。

2位予想のダイヤモンドバックスは、昨季6年ぶりにPS進出を飾ると、地区シリーズでドジャースを撃破してワールドシリーズまで上り詰めた。昨季リーグ10位の166本塁打だった打線にはジャイアンツからFAとなったジョク・ピーダーソンを迎え、投手陣の補強にはタイガースからFAとなっていたエデュアルド・ロドリゲスを獲得し、2年連続でのPS進出を狙う。

3位予想のジャイアンツも積極的に補強を行っており、韓国プロ野球(KBO)で首位打者2回、打点王1回、最多安打1回を達成している巧打者イ・ジョンフを獲得し、4番にはマーリンズからFAとなっていた2019年の本塁打王で、昨季も36本塁打を放ったホルヘ・ソレアを獲得した。

4位予想のパドレスは好打者のフアン・ソトをヤンキースにトレードで放出したものの、打線には上位を狙えるだけのタレントが残っている。投手陣は安定感のあるジョー・マスグローブとダルビッシュ有を軸とし、日本で2年連続セーブ王に輝いた新加入の松井裕樹の活躍次第では、上位を脅かす存在になることも十分にあり得る。

ロッキーズは今季も苦戦が続きそうだが、メジャー2年目で覚醒の兆しを見せるエゼキエル・トーバーや、投手陣ではトレードでガーディアンズから獲得したカル・クアントリルをはじめ、実績のある選手が揃っているので決して侮ることはできない。

今季もドジャースを中心にしたシーズンが展開されるであろうナ・リーグ西地区。ドジャースとパドレスはひと足さきに韓国で開幕を迎え、早速、大谷と山本VSダルビッシュと松井という熱い戦いが見られそうだ。黄金時代にさらなる補強で「鬼に金棒状態」のドジャースを脅かすチームは現れるのだろうか。シーズン最後まで目が離せない地区になりそうだ。

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