神奈川県立高の実習助手に猶予判決 かながわPay詐欺「疾患の影響否定できず」 被告は繰り返し謝罪

横浜地裁(資料写真)

 「かながわPay」の虚偽の電子決済支払い成功画面を見せて食料品などをだまし取ったとして、詐欺罪に問われた神奈川県立高校職員で実習助手の横浜市瀬谷区、男の被告(34)=起訴休職=の判決公判で、横浜地裁は29日、懲役1年4月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)を言い渡した。

 渡邉史朗裁判官は判決理由で「先に少額の商品を購入して支払い成功画面を保存した上で、残りの購入時に提示して精算を装っており、巧妙な犯行だ」と指摘。被告が精神疾患のため昨年4月から休職し、金銭的な不安から犯行に及んだと認定した。「精神疾患が犯行に多面的に影響したことも否定できず、親の協力で被害店舗側と示談も成立している」などとして、執行猶予判決と結論付けた。

 公判の被告人質問で、被告は「全く正常ではなかった。たくさんの人に迷惑をかけ、申し訳ない思いでいっぱい」などと述べ、謝罪を繰り返した。

 判決によると、被告は昨年8月10日、同区内のコンビニで2回にわたり、「かながわPay」の虚偽の電子決済支払い成功画面を店員に見せ、レトルト食品など計23点(計1万2533円)をだまし取った。

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