【2024年度】健康保険料が「値上げ」になる24の都道府県。3月(4月納付分)から変更へ

給与の手取り額に影響?一方で値下げになる都道府県も

2024年度、全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入している方は保険料率が改定されます。

健康保険料は毎月の給与から天引きされているため、もし保険料があがれば手取り額が減ることがあります。

保険料率の改定は3月から。そのため、多くの企業では4月納付分から金額が変わることになるでしょう。

24の都道府県では値上げが予定されています。

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全国健康保険協会(協会けんぽ)とは

全国健康保険協会(協会けんぽ)とは、主に中小企業で働く従業員や、その家族が加入する公的な健康保険です。

国が運営してきた健康保険事業(政府管掌健康保険)を引き継ぎ、2008年10月に健康保険法に基づいて設立されました。

公的健康保険には、この他に自営業者等が加入する国民健康保険、大企業の会社員等が加入する健康保険組合、公務員等が加入する共済組合、原則75歳以上が加入する後期高齢者医療制度があります。

いずれも医療費等を考慮して定期的に保険料率が改定されますが、全国健康保険協会(協会けんぽ)では都道府県ごとに設定します。

参考までに、40歳から64歳までの方が負担する介護保険料率については全国的に引き下げとなり、1.60%になりました。

地域によって保険料率が増えるところ、減るところがあります。自分の対象地域ではどうなのか、詳しくみていきましょう。

2024年度の健康保険料率が上がる予定の都道府県

それでは早速、2024年度の健康保険料率が上がる予定の都道府県を見ていきます。

2024年度の健康保険料率が上がる都道府県
  • 福島県
  • 群馬県
  • 新潟県
  • 富山県
  • 石川県
  • 福井県
  • 山梨県
  • 長野県
  • 岐阜県
  • 静岡県
  • 愛知県
  • 三重県
  • 滋賀県
  • 京都府
  • 大阪府
  • 兵庫県
  • 奈良県
  • 和歌山県
  • 広島県
  • 山口県
  • 香川県
  • 愛媛県
  • 大分県
  • 宮崎県

例えば石川県では、2023年度の保険料率9.66%に対し、2024年度は9.94%になるため、0.28%増加する予定です。

2024年度の健康保険料率が下がる予定の都道府県

続いて、2024年度の健康保険料率が下がる都道府県も見ていきます。

基準となる所得に変更がない場合、天引きされる保険料は安くなるため、手取りが増える可能性があります。

2024年度の健康保険料率が上がる都道府県
  • 北海道
  • 青森県
  • 岩手県
  • 宮城県
  • 秋田県
  • 山形県
  • 茨城県
  • 栃木県
  • 埼玉県
  • 千葉県
  • 東京都
  • 鳥取県
  • 島根県
  • 岡山県
  • 徳島県
  • 高知県
  • 福岡県
  • 佐賀県
  • 長崎県
  • 熊本県
  • 鹿児島県
  • 沖縄県

例えば東京都では、2023年度の健康保険料率が10.00%だったのに対し、2024年度は9.98%と引き下げになります。

もし標準報酬月額30万円の場合だと、40歳未満の方は2万9940円、40歳以上65歳未満の方は3万4740円になる見込みです(事業主との折半となるため、この半額が給与より天引きされます)。

変わらないのは神奈川県のみで、引き続き10.02%となります。

他の保険者でも保険料は上がる傾向に

全国健康保険協会(協会けんぽ)だけでなく他の保険者においても、制度の運営維持のために保険料等の見直しが進んでいます。

例えば後期高齢者医療制度では、2023年5月12日に「75歳以上の後期高齢者医療保険料を段階的に引き上げる改正健康保険法」が成立しており、一定の年収要件を満たした75歳以上の人を対象に保険料が値上げされる予定です。

高収入の人ほど保険料の値上げによる影響・負担が大きくなる見込みで、年収400万円の人は増加額が1万4500円なのに対して、年収1100万円の人の場合は、13万円増加します。

また、国民健康保険料の上限も2024年度に引き上げられます。

厚生労働省の試算によると、限度額(合計額)の超過世帯割合は1.4%台となっており、主に高所得者層の負担が増える見込みです。

給与から天引きされるのは健康保険料だけでなく、税金や厚生年金保険料、雇用保険料などたくさんあります。

企業によっては、任意の積立金などが引かれていることもあり、こうしたお金に敏感になることで、手取りを意識するきっかけになるものです。

天引きされる保険料や手取り額に敏感になる

給与から天引きされるお金は、じわじわと増えている可能性があります。せっかく昇給しても、実際に振り込まれる金額が少ないと意味がないですよね。

貯蓄が上手な方は「額面」だけでなく「手取り」を意識し、給与明細をしっかり確認する方が多いです。

保険料はどうすることもできませんが、税金は年末調整や確定申告を行うことで還付を受けられるかもしれません。

また、保険料が改定する時期などを知るだけでも、「今月から急に手取りが減った」と焦らず心構えができるものです。

天引きされるお金に無頓着になるのではなく、まずは知ることから始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料

  • 協会けんぽ「令和6年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます」
  • 厚生労働省保険局「国民健康保険の保険料(税)の賦課(課税)限度額について」
  • 東京都後期高齢者医療広域連合「保険料の決め方・賦課」

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