鎌倉に「宇宙空間観測所」 三菱電機の新施設、運用1年でメディア初公開

初公開した「大船宇宙空間観測所」

 三菱電機(東京都)は、鎌倉市大船の研究拠点「情報技術総合研究所」の施設や取り組みをメディア向けに公開した。宇宙空間を観測する新施設や建物の脱炭素化やカーボンニュートラル(CN)に貢献する環境関連技術の研究棟「SUSTIE(サスティエ)」、同社独自の人工知能(AI)技術「Maisart(マイサート)」を紹介した。

 2月26日に公開した情報技術総合研究所は、主にモノのインターネット(IoT)や情報セキュリティー、通信システム、AI、人工衛星搭載技術などの分野を研究する関東最大級の同社研究拠点。さまざまな研究所が統合して1995年から活動を行っており、現在は約千人の研究者などが働いている。

 構内に新たに建設した宇宙関連施設「大船宇宙空間観測所」は、主に軌道上の安全確保を目的に、ロケットの残骸や破片といったスペースデブリ(宇宙ごみ)や人工衛星の観測を行う拠点。2022年1月の完成後、約1年の稼働テストを経て23年3月から運用を開始した。

 望遠鏡2台や遠隔操作用のコンピューターなどを完備。今後は宇宙と地球をつなぐ光通信研究も行われる予定。他社との差別化について同研究所光技術部の遠藤貴雄主席技師長は「三菱電機はこれまで、人工衛星事業を総合的に行っている強みがある」と話している。

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