【凄い数…!】冬の大人気釣魚は、藻場に大群をなして「集団生活」する魚だった!【水中写真で見るサカナの生態】

海の中はどうなっていて、どんな魚がいるのだろうか。魚たちが暮らす場での、そのリアルな生活を垣間見たい。そんな思いで水中に潜り、撮りためた写真を集大成しました。メバルはほぼ全国的に分布するポピュラーな魚。岩礁帯や藻場などをすみかにし、群れで見かけることが多い。30cmを超えるとかなり大型と言っていいくらいの小さい魚だが、パワフルで引きが強いため釣りの対象魚として人気のターゲットだ。(※本原稿は『水中釣魚ワールド』からの抜粋です。)

●文:ルアマガプラス編集部

水中写真で見るサカナの生態:メバル編

【Target Profile】

メバル

北海道南部~九州に分布。目が大きいのでメバルと呼ばれる。内湾部に多く、浅海の岩礁帯に群れですむことが多い。アマモやガラモなどの藻場をとくに好む。魚類、甲殻類、アミなどを食べている。夜間には大群で表層近くまで浮上し、活発にエサを追う。

メバルは藻場で大群をなして集団生活

メバルは岩礁帯や藻場などのストラクチャーに付く魚。季節によって、若干群れの規模が違うものの、いつも決まった所で見かける。特に大型メバルはその傾向がより強いように思われる。逆にいえば大型メバルたちには好むストラクチャー(障害物)があるともいえる。

一面に藻が生えている場所をメバルがすみかにしていた。そろりそろりと藻の間から浮上する。

普段はストラクチャーの中やその近辺に潜んでいるが、潮が流れ出したらこぞって浮上してくる。お食事タイムだ。メバルはぽっかり浮かんだり、あるいはゆっくり泳いだりする。朝夕や夜間には海面近くまで浮き上がることもあるが、日中はすぐに逃げ込める範囲しか行動しないようだ。

岩の割れの中はかっこうの隠れ家。ここにいればまずは安心だ。

メバルの群れが着くのが「藻場」だ。藻場の規模が大きいほどメバルの群れも大規模になる。遠くから見ると、藻の少し上にメバルがびっしり浮かんでいるのが確認できる。だが、接近すると藻の中へ隠れてしまう。しかし、しばらく待っているとまた徐々に浮上してきて、いったい何尾いるのだろうと驚くほどの数が出現する。

いったい何尾いるのだろうか。そう思わせられるメバルの数。15〜25cmくらいの大きさだが、20m四方だけでも100尾以上は確実にいる感じだった。

よく潜るポイントでは、いつもメバルたちが同じ場所にいるのですっかりおなじみになった個体もいる。「これを釣ったらかなりすごい引きをするだろうな」と思う大型メバルも多々。翌年にも翌々年にも、そこには同じ魚かどうかはわからないが、尺上(30cm超え)の大型メバルがいたりする。ただ、大型メバルになるほど、単独で見かけることも多く、おそらくエサを求めて、あちこちに動いているのかもしれない。

尺メバルになるには10年以上かかる

メバルは成長が遅い魚として知られていて、30cm以上になるのに10年以上かかるといわれている。これは地域差もあるだろうが、他の魚では、たとえばブリなら数年で80cmを超えてしまうから、いかにメバルの成長が遅いかがわかる。釣り人の憧れである尺メバルは貴重な存在といえるだろう。

水深15mほどのテトラ帯に尺メバルが付いていた。肩の張った筋骨隆々とした魚体でゆっくり泳ぐ。

とある外海に面したテトラ帯のボトム付近にもおなじみの大型メバルがいた。彼らがここで10年以上のときを粛々と過ごしていたのかもしれないと思うと、ある種の畏敬の念を覚えた。数年の期間を空けて、その場所へまた潜る機会を得たのだが、見覚えのある水中風景の中に相変わらず尺上の見事な姿態が浮かんでいて、思わず「元気そうやな」と声を掛けてしまった。

メバルの付き場というものが確かにある。季節によって違うが、そこに行けばメバルたちに会える場所がある。

(※本原稿は『水中釣魚ワールド』からの抜粋です。)

魚は水中でどんなふうに暮らしているのだろうか?

刊行情報のご案内

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