なぜウサギの大群が…野生で繁殖?捨てられた? 住宅街に30匹以上、逗子署が捜査 

保護されたウサギ(県警提供)

 30匹以上のウサギが神奈川県逗子市沼間の住宅街で見つかり、次々と保護された。草むらや路上などで身を寄せ合っており、住民からは「なぜウサギの大群が」と驚きの声が上がっている。逗子署は野生で繁殖したものではなく、何者かが育てていたウサギを捨てた可能性があるとみて、捜査を始めた。

 沼間地区でウサギが最初に保護されたのは2月20日。犬の散歩をしていた男性が12匹を見つけて同署に通報した。同24日にも13匹が見つかり、その後も住民らが住宅街近くの草むらなどで次々と捕まえ、現在は県動物愛護センター(平塚市)などで保護されている。

 住民によると近寄ってもおとなしく、人になれている様子だったという。署によると、色は白や茶、グレーで大きさは20~30センチ程度。外見の特徴は似通っているという。

 葉山町内で動物病院を開業する獣医師は、沼間地区周辺で野生のウサギが繁殖しているとは「聞いたことがない」と首をひねる。「野生のウサギは人が簡単に捕まえられない。人に飼われていたウサギではないか」と話す。

 ウサギは妊娠率が高く多産のため、繁殖して飼育しきれなくなるケースが問題になっている。県西地域で飼育されていたペットのウサギ2匹が、わずか2年足らずで200匹以上に繁殖。一昨年夏、飼い主が同センターに相談し、民間団体を通じて希望者にもらわれていったこともあった。

 同署は現在、防犯カメラの映像を分析するなど、動物愛護法違反の疑いを視野に捜査を進めている。ウサギを保護した男性は「事故に遭ってはかわいそうだ。また見つけたら保護したい」と話していた。

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