被災者癒やしたひな飾り展示 千厩・すがわら貸衣裳店 東日本大震災から13年【一関】

東日本大震災から13年を迎える11日まで開かれている「陸前高田の癒し雛展」

 東日本大震災の発生から間もなく13年を迎えるのに合わせ、「陸前高田の癒し雛(ひな)展」が一関市千厩町千厩のすがわら貸衣裳店(菅原利和代表)で開かれている。被災地を長年見守ってきたひな飾りが展示され、連日多くの人が訪れている。11日まで。

 ひな飾りは、陸前高田市出身の鈴木ミヤ子さん(81)=東京都=が桃の節句に合わせて古里で展示していた物。鈴木さんは、同市や大船渡市などの友人、知人らから飾られなくなったひな人形やつるし飾りを譲り受けて公開していた。震災後は、被災した人たちが心を癒やせる場にしようと規模を広げて展示していたが、高齢と転居などの事情が重なり、昨年で最後とした。

 飾りの行き場に悩む中、長年ひなまつりを開いている千厩地域とつながり、一関市役所千厩支所の仲介でほとんどを同店に寄贈。

 同店では、鈴木さんから贈られた人形約120体と、つるし飾りや着物、帯など約20点を今年のせんまやひなまつりに合わせて展示した。

 鈴木さんは「人形や衣装は子どもへの強い思いが感じられる物で、千厩の皆さんは温かく、同じ思い入れがあると感じた。人形たちも安心した表情になったよう」と感謝。菅原代表は「被災地の皆さんを笑顔にしてきた物を見てほしい」と話している。

 問い合わせは同店=0191(52)4582=へ。

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