ふるさと納税の返礼品として、電子商品券を導入へ 川崎市

川崎市役所(資料写真)

 ふるさと納税による市税の流出額が増え続けている川崎市は、4月以降にふるさと納税返礼品として市内の施設などで使える電子商品券を導入する。寄付受け入れ額を増やすだけでなく、観光客を誘致する狙いもある。市担当者は「川崎を訪れるたびに寄付してもらえれば」と期待を込める。

 市の市税流出額は2015年度の2億円から年々増額し、23年度は全国ワースト4位の約121億1500万円に上った。一方、寄付受け入れ額は約13億円にとどまる。市は特設サイトの開設などに取り組んでいるが、税収減に歯止めがかからないという。

 危機感を抱く福田紀彦市長は「稼げる返礼品」の開発を指示し、市は検討を開始。市議や事業者から旅先など現地で使える電子商品券の導入について提案もあり、調査した上で一定の効果が見込まれることから導入を決めた。

 現在は電子商品券を使える施設や店舗の確保に向け、市内のホテルやゴルフ場計数カ所と調整している。導入後も使用可能な施設や店舗を増やしていくという。

 市は2月27、28日の市議会第1回定例会本会議代表質問で、こうした方針を明らかにした。福田市長は「市税の流出額が年々拡大する中で、国に対して制度の見直しを要請してきたが、進んでいないのが現状」とし、「市政への影響を少しでも抑えるためには、さらなる寄付受け入れ額の拡大に向けて取り組まないといけない」と述べた。

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