取材ノート 新分野の開発にスピード感を

 ■3Dプリンターやドローン、AI(人工知能)カメラなど、ものづくりの省力化やデジタルトランスフォーメーションに関わる企業を取材する機会も多い。その際、強く感じるのは、先端産業分野での中国企業の存在の大きさだ。これらの分野で日本企業は、中国に大きく水をあけられていると感じる。
 中国メーカーは開発スピードの早さに加え、低価格の優位性があり、行く先々の企業が中国製品を利用したり、販売代理店を手がけたりしている。日本のものづくりの強みは、製品の安定した品質、信頼性の高さだ。だが、そこにこだわるためか、新たな分野の研究開発はスピード感に欠けるきらいがある。
 とはいえ、この地域にも、素材や製造装置などで、世界に売り込めそうな革新的技術を持つ企業は存在する。そうした企業への積極的な支援や投資を望みたい。
 ■吉川 英司(よしかわ・えいじ)尾張支社勤務。昨年暮れに還暦を迎えた。気持ちも見た目も、同世代より若いつもりでいるが、体のあちらこちらにガタがきている。気持ちの若さは体の若さにもつながると信じ、老け込まないように頑張りたい。

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