2024年F1開幕戦、接戦が予想された中、フェルスタッペンが完璧な走りでまず1勝【バーレーンGP】

2024年3月2日(現地時間)、F1世界選手権開幕戦バーレーンGPが首都マナーマ近郊サヒールのバーレーン・インターナショナル・サーキットで開催され、マックス・フェルスタッペンが優勝。2位にはチームメイトのセルジオ・ペレスが入り、レッドブルが1-2フィニッシュを達成した。3位にはフェラーリのカルロス・サインツが入った。角田裕毅(RB)は序盤トップ10内で走行していたものの、ピットストップで順位を落とし14位に終わった。

完勝フェルスタッペン、4連覇へ好発進

「今年は少し差が縮まっているのではないか」・・・そんなライバルチームの淡い期待は、周回を重ねるごとに霧散していった。

圧巻の走りを披露した王者マックス・フェルスタペン。ライバルを従えて、レースを完全にコントロールした。

前日の予選でポールポジションを獲得したフェルスタッペンは、スタートでも好ダッシュ。タイトターンとなるターン1でインを抑えてレースの主導権を握ると、瞬く間に2番手のシャルル・ルクレール(フェラーリ)のDRS圏外へと逃げていく。

その後もフェルスタッペンは、後続のルクレール、ジョージ・ラッセル(メルセデス)、ペレス、サインツによる激しい表彰台争いを尻目に着々と差を広げ、ソフトからハードへの1回目のピットストップ、ハードからソフトへの2回目のピットストップも難なくこなして首位独走。

タイヤへの攻撃性の高いバーレーンのコースにあっても、ほとんどタイヤ消耗の心配のない安定したペースで57周を走り抜き、上位陣の中では唯一レッドブルだけが残していた新品のソフトタイヤを利して39周目ンにはファステストラップも記録、最終的に2位のペレスには22秒以上の大差をつけた。

そして全ラップ首位でチェッカーを受けた直後には、「クルマは良かったし、予想していた以上の最高の展開になった。すごく楽しかった」と涼しい顔でコメント。ドライバーズ選手権4連覇を目指すフェルスタッペンにとっては、文字通りに完璧な最高のシーズンスタートとなった。

キャリア通算55勝目、4年連続チャンピオンに向けて好スタートを切ったマックス・フェルスタペン。

大差をつけられたライバルは次戦でどう挽回してくるか

同じ車で大差をつけられたペレスや、予選での速さを再現できなかったフェラーリ、レース中盤からペースの落ちたメルセデス、昨年の勢いが感じられなかったマクラーレンとアストンマーティンにとっては、王者の隙の無さを痛感させられる厳しい開幕戦となった。

打倒レッドブルを期すフェラーリだが、開幕戦は3-4位。次戦での巻き返しに注目が集まる。

2024年シーズンは、フェルスタッペンの快進撃を止めることができるのか。キャラクターの変わる次戦以降のサーキットに一縷の望みを託すことになる。

角田裕毅(RB)は序盤トップ10内で走行していたものの、終盤ポイント圏外に脱落。そこから追い上げる中で、チームの指示でソフトタイヤを履くダニエル・リカルドにポジションを譲って、憤りを見せながら14位でフィニッシュした。

タイヤを供給するピレリは「マックス・フェルスタッペンは、圧倒的なパフォーマンスでレースに勝っただけでなく、ポールポジションを獲得し、57周すべてをリードし、ファステストラップも記録しました。1分32秒608というファステストラップは、シャルル・ルクレールの2番目のタイムよりも1秒半も速いものでした。タイヤの使用と戦略はほぼ予想通りでした。すべてのドライバーがソフトタイヤでスタートし、ハードタイヤに交換しました。気温がわずかに低くなったことでソフトタイヤの競争力が高まりましたが、第3スティントで大胆な選択をしたのはレッドブルだけで、他のチームは安全策をとってハードを選択しました」と分析している。

バーレーンGPのタイヤ戦略。全車がソフトタイヤでスタート、その後ハードタイヤに交換した。

2024年F1開幕戦バーレーンGP決勝 リザルト

次戦第2戦サウジアラビアGPは、3月9日、同国西部のジッダ市街地サーキットで開催される。(文:新村いつき)

2024年F1開幕戦バーレーンGP決勝 結果

1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT) 57周
2位 11 S.ペレス(レッドブル) )+22.457s
3位 55 C.サインツ(フェラーリ)+25.110s
4位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+39.669s
5位 63 G.ラッセル(メルセデス)+46.788s
6位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+48.458s
7位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+50.324s
8位 81 O.ピアストリ(マクラーレン・メルセデス)+56.082s
9位 14 F.アロンソ(アストンマーティン) +74.887s
10位 18 L.ストロール(アストンマーティン・メルセデス)+93.216s
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13位 3 D.リカルド(RB・ホンダRBPT) +1L
14位 22 角田裕毅(RB・ホンダRBPT)+1L
ファステストラップ 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT)

2024年F1ドライバーズランキング(開幕戦終了時)

1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル) 26
2位 11 S.ペレス(レッドブル) )18
3位 55 C.サインツ(フェラーリ)15
4位 16 C.ルクレール(フェラーリ)12
5位 63 G.ラッセル(メルセデス)10
6位 4 L.ノリス(マクラーレン)8
7位 44 L.ハミルトン(メルセデス)6
8位 81 O.ピアストリ(マクラーレン)4
9位 14 F.アロンソ(アストンマーティン) 2
10位 18 L.ストロール(アストンマーティン)1

2024年F1コンストラクターズランキング(開幕戦終了時)

1位 レッドブル 44
2位 フェラーリ 27
3位 メルセデス 16
4位 マクラーレン 12
5位 アストンマーティン 3

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