パキスタン、首相にシャバズ・シャリフ氏を再選

パキスタン議会は3日、「イスラム教徒連盟シャリフ派(PML-N)」のシャバズ・シャリフ前首相を首相に再選した。

シャリフ氏は下院での投票で201票を獲得。過半数の169票を超え、首相に選ばれた。

一方、服役中のイムラン・カーン元首相が率いる「パキスタン正義運動(PTI)」が推していた対立候補のオマル・アユーブ氏は92票を獲得した。

シャリフ氏は勝利演説の中で、どの政党も議会で明確な多数を占めていないため、「志を同じくする政党が連立政権を樹立する」ことが「民主的な方法」だと述べた。

パキスタンでは2月8日に総選挙があった。その結果を受け、PML-Nは「パキスタン人民党(PPP)」と連立政権樹立で合意していた。

両党は、2022年にカーン元首相を政権の座から降ろした後のシャリフ政権で協力関係にあった。

今回の総選挙では、カーン元首相とPTIは立候補を禁止されていたため、PTIの候補は無所属で出馬。それらの無所属候補らが最も多くの議席を獲得した。

シャリフ氏の兄のナワズ・シャリフ氏が党首を務めるPML-Nは第2党、PPPが第3党となった。

しかし、いずれの政党も過半数議席を獲得できなかったため、政権の行方は不透明だった。

また、妨害行為や不正の疑惑も持ち上がっていた。

カーン氏は現在、汚職の罪などで服役しているが、自身に対する訴追はすべて政治的動機に基づくものだとして犯罪行為を否定している。

パキスタンでは昨年8月にシャリフ氏が政権を退いたのち、今年2月の総選挙まで暫定政府が置かれていた。

(英語記事 Pakistan: Shehbaz Sharif wins second term as prime minister

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