農村でロボット製作を教える小学校教師 中国貴州省

農村でロボット製作を教える小学校教師 中国貴州省

2月20日、自身が指導する児童が作ったロボットを見せる史仕才さん。(貴陽=新華社記者/鄭明鴻)

 【新華社貴陽3月4日】中国貴州省黔西南(けんせいなん)プイ族ミャオ族自治州興義市の郷村教師、史仕才(し・しさい)さんのパソコンには、自身が受賞してきた表彰状の写真を保存したフォルダーがある。史さんが指導した子どもたちが各種ロボットコンテストで獲得した表彰状も11枚含まれており、これらの写真を開いてエピソードを一つ一つ紹介する史さんの顔には誇らしさが浮かぶ。

 史さんは2000年に中等専門学校を卒業後、同市泥氹(でいとう)鎮の農村にある小学校で国語を教えてきた。21年には当時赴任していた同鎮坡尾小学校が同市陽光小学校から多数のロボット模型を寄贈され、子どもたちが同市科学技術協会から科学知識普及活動にも招待された。普及活動の会場に展示されていた3Dペンやスマートロボットに目を丸くしていた子どもたちの姿を見て、史さんは子どもたちにロボット製作を教えることを思いついたという。

農村でロボット製作を教える小学校教師 中国貴州省

海南省文昌市でのコンテストに参加して、児童と記念撮影をする史仕才さん(中央)。(2023年8月14日撮影、貴陽=新華社配信)

 とは言え、史さん自身もロボットに詳しいわけではなかった。当初は週末になると市街地に行って、同協会の専門家からロボット模型の組み立て方やプログラミングなどを学んだ。2カ月後、史さんは一人前の「ロボット製作教師」になった。

 ロボット教育を始めたことで、子どもたちの学校生活は充実した。勉強が好きではなかった子どもも、ロボットに興味を持つようになった。

 外の世界に触れる機会をより多く与えようと、史さんは積極的に子どもたちを各種ロボットコンテストに参加させている。史さんの引率でこれまでに、延べ30人の児童がさまざまなレベルの科学技術コンテストに参加し、数々の賞を受賞してきた。

 史さんは、コンテストへの参加は子どもたちの視野を広げ、成長にエネルギーを注ぎ込むと説明。「コンテストから帰ってきた子どもたちが自分の経験を周りに共有することで、さらに多くの子どもの好奇心や知的欲求が刺激される」と語った。(記者/鄭明鴻)

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