吉沢亮が女方歌舞伎役者役で主演 李相日監督で吉田修一原作『国宝』映画化決定

吉沢亮が主演を務める李相日監督最新作『国宝』が2025年に公開されることが決定した。

原作は、2017年から朝日新聞にて連載された吉田修一の同名小説。任侠の一門に生まれながらも、歌舞伎の世界に飛び込み、芸の道に青春を捧げ、芝居だけに生きてきた喜久雄の見果てぬ夢を追い求める壮大な物語だ。

監督を務めるのは、『悪人』『怒り』と吉田作品を映画化した経験を持つ李。脚本は、『時をかける少女』『サマーウォーズ』『コーヒーが冷めないうちに』などで知られる奥寺佐渡子が手がける。

主演を務めるのは吉沢。これまで踊りの経験がなった吉沢は、まずはまっすぐ歩くことから始め、すり足で歩く、正座の仕方、扇子の持ち方、取り方など、基本動作から稽古を受けた。稽古初日は、まっすぐ歩くことだけで終わり、撮影時にきちんと踊ることができるのか不安もある中、撮影本番のギリギリまで日々歌舞伎の稽古を行い、名もなき青年が国の宝になるまでの、稀代の歌舞伎役者・喜久雄に近づけるよう全身全霊で立ち向かう。

撮影は2024年3月からスタートし、6月にクランクアップ予定。公開は2025年を予定している。

コメント

■吉沢亮

吉田修一先生×李相日監督の3作目。『悪人』ではただただ視聴者として感嘆し、『怒り』ではオーディションの参加者として、何も出来なかった自分への苛立ち、完成を観てのどうしようも無い昂まりと悔しさ。そして『国宝』では当事者としてなにを思うのでしょう。稀代の女方を演じると言う、途方もない挑戦ではございますが、その挑戦の先に見える景色が何よりも美しいものである事を信じて。日々精進です。

■李相日(監督)

芸に身を捧げ、人生を翻弄される多彩な登場人物たちが織りなす豪華絢爛な歌舞伎の世界観。吉田さん渾身の作品を担う重圧に慄えが止まりません。小説刊行からの構想6年。言い換えれば、“覚悟“に要した年月です。決め手は、吉沢亮の存在。美しさと虚しさを併せ持つ妖艶なその存在感。役者として着実に成長し進化を遂げた今、まさに機が熟した宿命の出会いです。数多ある困難を超えた先に拡がる未知の世界に、関係者一同胸昂る思いです。

■吉田修一(原作)

「悪人」「怒り」、そして「国宝」へ。夢が叶う。三たび、信頼する李相日監督に自作を預けられる喜びにあふれている。そしてもう一つ、夢が叶う。「国宝」執筆中も書き終えてからも、ずっとあることを夢見ていた。無理は承知ながら、この稀代の女方・立花喜久雄の舞台を一度でいいからこの目で見てみたいと。その夢が叶う。吉沢亮という稀代の役者を迎えて。

(文=リアルサウンド編集部)

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