「下請け」表記の見直し検討 公明西田氏提案に岸田首相表明

 岸田文雄首相は5日の参院予算委員会で、「下請法(下請代金支払遅延等防止法)」に基づく「下請け」の表記について、変更の要否を検討する方針を示した。公明党の西田実仁氏からの「今の名称のままでは中小企業を下に見る風潮の定着を招く」との指摘に答弁した。同氏は昨年3月2日の予算委でも高騰コストの円滑な価格転嫁など中小企業支援策を訴えている。

 西田氏は中小企業を中心に構成する日本金型工業会が「下請け」という言葉の使用自粛を提案中であることを紹介。「企業経営者からも『下という言葉を聞くたびに嫌な思いをする』といった“心の声”を聞いてきた」などと下請法の名称変更などを提案した。

 首相は「下請け事業者から今の名称のままでは下に見られるという指摘はある。パートナーと呼称する動きも現実に広がってきた」との認識を表明。「取引慣行の実態や価格転嫁の状況を検証しながら、下請法の改正の要否も含め幅広い検討を行っていく」と提案に応じた。

 大企業と下請け企業の関係を巡っては、日産自動車による30社以上への違法減額強要が発覚するなどして、改善に向けた世論が高まっている。

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