県の消防防災ヘリが墜落し、乗っていた9人全員が死亡した事故から7年です。松本市で追悼式が開かれ、安全運航を誓いました。
■「黙とう」
雪まじりの雨が降りしきる中、遺族や阿部知事など約60人が参列しました。
■阿部知事「あなた方を慕い、あなた方を思う多くの人たちからの献花が絶えることはありません。今でも多くの人々があなた方に深く感謝し敬意を抱いている証です」
7年前の3月5日。県の消防防災ヘリ「アルプス」が救助訓練に向かう途中で松本市の鉢伏山に墜落。乗っていた9人全員が亡くなりました。高嶋俊郎さんはこの事故で、息子の典俊さん(当時37歳)を亡くしました。
■高嶋俊郎さん(74)「この7年間思い出さない日はありません、やはり。孫と一緒にお風呂入っていて、『お父さんと楽しく遊んでいる友達を見ると羨ましくなる』って言われちゃって。生きていたら今ごろどんな男になって、どんな父親になって、どんなポストでどんな仕事をしているか、いつも思いめぐらせています」
隊員は二度と事故を起こさないよう、教訓を胸に刻んでいます。
■安全の誓い「『凡事徹底』『無事帰る』の方針で一歩ずつ確実に歩みを進めていきます」
■県消防防災航空隊 須山勇貴隊長(46)「一年間安全に運航できたということを報告させていただいたことと、これからさらに安全の日数積み重ねて、来年度も同じ報告が出来ると良い。気付いたことはすぐ口に出して何でも言える環境作りを実施しているところです」
去年4月からはパイロットを1人増やし、機長と副操縦士を同乗させる「ダブルパイロット制」で安全運航に努めています
■「黙とう」
犠牲者9人のうち隊員の大工原正治さんが所属していた佐久広域連合消防本部では、5日朝、黙とうが捧げられました。
■佐久広域連合消防本部 小林透消防長「あの日を忘れないために当本部では毎月5日を安全管理の日、正治の日に定めています。現場活動時はもとより、訓練時においても安全管理の徹底に努めるようお願い致します」
消防本部には大工原さんの遺影や墜落事故の激しさを物語るヘルメットなどが飾られています。手向けられた花の近くには、大好きだったコーヒーも供えられていました。
■佐久広域連合消防本部 市川高志消防司令長「(消防業務は)危険な場所に行く業務ですので、自分たちがしっかり帰って来れるように訓練をしっかりしていくことが彼の遺志を受け継ぐことだと思っております」