Criteo、リテールメディアの最新レポートを公開/自社サイト・外部サイト両方への投資がトレンドに

コマースメディアを展開するCriteoは、ブランド・広告主や小売業者・リテーラー、代理店、パブリッシャーを対象に、リテールメディアに関する調査を実施。結果をまとめたレポート「THE GREAT DEFRAG(ザ・グレート・デフラグ)~2024年、コマースメディアが断片化する広告を一つに~」を発表した。

9割前後の企業が、収益に対してリテールメディアは「大きな/プラスの影響」

まず、2023年の収益におけるリテールメディアの影響について調査。すると、同調査に回答した代理店の93%、ブランド・広告主の88%、小売業者・リテーラーの89%が「大きな影響またはプラスの影響を与えた」と回答した。

またブランド・広告主の79%が「リテールメディアへの支出が他のどのチャネルよりも売り上げの面で効果的である」と答え、ブランド・広告主と代理店の85%は「マーケティングの上位ファネルであるブランド認知を促進するためのリテールメディアの施策がますます強化されている」と回答した。

約半数の広告主や代理店が、オンサイト配信・オフサイト配信の両方に投資

次に、リテールメディアへの投資について調べた。約半数のブランド・広告主(56%)や代理店(47%)が、リテールメディアにおいてオンサイト配信(自社ECサイト内の広告枠への配信)とオフサイト配信(自社ECサイトではない外部サイトの広告枠への配信)の両方に投資していることが示された。日本だけで見ると、両方に投資していると回答した割合は、ブランド・広告主および代理店ともに35%だった。

ブランド・広告主によるオフサイトの需要に対応するため、小売業者の50%がオフサイト分野への投資を優先していると回答。一方で、43%の小売業者が実店舗のデジタルスクリーンやPOSディスプレイなど、店頭のリテールメディア需要への対応にも取り組んでいたこともわかった。

また、各地域の約24%のブランド・広告主や25%の代理店が「現在はオンサイトのみの投資だが、将来的にはオフサイトにも投資していく」と答えた。日本は対象国となる6ヵ国の中で、イギリス(33%)に次いで2番目に高い29%だった。

さらに、パブリッシャーの83%がオフサイト広告の配信先として自社ウェブサイト上にリテールメディア広告の商品を表示させる広告インベントリを拡大し、リテールメディア広告費を獲得することに関心があることも示された。

国別・プレーヤー別に見る、リテールメディアの課題

続いてリテールメディアにおける課題を尋ねたところ、各地域共通の課題として「最適なリテールメディアのパートナーの選定」「予算管理」が挙げられた。特に日本と韓国の各プレーヤーに共通する課題は、広告効果によるコンバージョンの純増分を表す「インクリメンタリティの計測」となった。

小売業者からは、「最適なリテールメディアのパートナーの選定」「インクリメンタリティの計測」「予算管理」「プロバイダーの断片化」「リテールメディアの認知の低さ」が挙げられた。一方、ブランド・広告主においては「最適なリテールメディアのパートナーの選定」「インクリメンタリティの計測」「予算管理」に加えて、「社内のリソースや人材、知見の確保」「ファーストパーティ・データの整備」が課題となった。

代理店の中では、「社内のリソースや人材、知見の確保」「インクリメンタリティの計測」「プロバイダーの断片化」「リテールメディアの認知の低さ」「実店舗でのキャンペーンとの不連携」などの課題が多かった。

リテールメディアのパートナー選定で重視することは?

最後に、ブランド・広告主がリテールメディアのパートナーを選ぶ際に考慮することを調査。その結果、各地域で共通して「分析力・レポートの精度の高さ」を重視する傾向が明らかになった。

日本と韓国のブランド・広告主においては、「分析力・レポートの精度の高さ(58%)」に次いで「オンサイト広告とオフサイト広告の両方を兼ね備えている(44%)」「オープンインターネット上でのブランドセーフティーが確保されたインベントリ(44%)」「関連性の高いオーディエンスとデータ(44%)」が重視された。

【調査概要】
調査期間:2023年10月~12月
調査対象:米国・英国・フランス・ドイツ・日本・韓国においてブランド・代理店・小売業者・パブリッシャーに関わるシニア専門職
回答者数:1,004

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